本日から女子ツアー開幕戦が始まる。女子プロの飛ばし屋というと葭葉や比嘉、ルーキー注目選手の原に松田など挙げられる。近年、女子プロ全体の飛距離が伸びているというが、どう変化しているのか。今シーズンキャリア5年目を迎えるプロキャディ・木村翔に聞いてみた。

飛距離が伸びて、予選通過ラインも上がった

いよいよ国内女子ツアーが開幕を迎えたが、ここ数年で大きく変わったといわれるのが、女子プロたちの飛距離だ。2018年シーズンの、LPGA(日本女子プロゴルフ協会)のドライビングディスタンスを見てみると、平均飛距離240ヤードを超える選手が28人、そのうちの上位7人は平均飛距離250ヤードオーバーだ。今年でプロキャディ5年目のシーズンを迎えた木村翔も、女子プロたちの飛距離アップを実感しているとか。

「ボクがプロキャディになった5年前に比べて、飛ばす選手が本当に増えましたね。バッグを担いでいる選手でいうと、比嘉真美子プロや松田鈴英プロ、それに柏原明日架プロや小祝さくらプロもそう。彼女たちはフツーに240~250ヤード飛ばしますからね」(木村、以下同)。

画像: 小祝さくらは昨シーズン平均飛距離240.19ヤード(写真は2018年の三菱電機レディス 撮影/岡沢裕行)

小祝さくらは昨シーズン平均飛距離240.19ヤード(写真は2018年の三菱電機レディス 撮影/岡沢裕行)

ちなみに、昨年のデータによると、比嘉は254.34ヤード、松田は248.01ヤード、柏原が244.59ヤード、小祝も240.19ヤードと、名前の出た選手は皆、平均飛距離240ヤード超だ。ギアの進化、飛ばしの技術レベルのアップ、科学的なトレーニングによる基礎体力の向上などなど、飛距離アップの要因はいくつもある。

「いまは飛ばすゴルフというか、飛距離が出せないと成績を残すのが厳しい状況になっています。選手の飛距離が伸びたことで、毎年のようにコースが少しずつ長く延長されていますし、フェアウェイが狭く絞られたり、ラフも深くなってきていますからね」

コースセッティングは厳しくなっているが、選手の飛距離が飛躍的に伸びているため、「予選カットラインのスコアが年々、高くなっていますよね。数年前なら決勝に進めたスコアが、いまは1~2打足りずに予選落ちというケースが多いんです。3日間のトーナメントで優勝スコアが15アンダーとか、20アンダーを超えるときもあります。バーディ合戦でハイスコアの戦いになっているんです」。

画像: 松田は昨シーズンの平均飛距離が248.01ヤードで8位にランクインしている(写真は2018年のリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

松田は昨シーズンの平均飛距離が248.01ヤードで8位にランクインしている(写真は2018年のリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

平均飛距離が220~230ヤードの選手と、240~250ヤードの選手では、コースを攻める難易度が大きく変わるという。

「たとえば、380ヤードのパー4だと、飛ぶ選手はショートアイアンでグリーンを狙えますが、飛ばない選手はミドルアイアンとかユーティリティが必要になります。以前に比べてグリーンのスピードが速くなって、ピンポジションも厳しくなっているので、短いクラブでセカンドを打てないとボールを止められないんですよ。ティショットがラフに入ったりすれば、飛ばない人はより難易度が増しますよね。グリーンを狙うどころか、脱出するのが精いっぱいという状況も出てきてしまいますから」

当然、バッグを担ぐ選手によって、コース戦略やアドバイスの仕方も変わってくるとか。

「同じ状況でも、飛ぶ選手ならピン狙いですが、飛ばない選手はグリーンセンターでいいとか。コースマネジメントも選手の飛距離によって違います。ボクの場合は特定の選手と専属契約をせずに、複数の選手と試合ごとに契約してバッグを担いでいるので、そこが難しいところであり、またやりがいを感じる部分でもありますね」

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