松山はギリギリ予選通過からのトップテンフィニッシュ
予選カットラインぎりぎり67位タイで決勝ラウンドに滑り込んだ松山だったが3日目「66」、4日目「67」とスコアを伸ばし通算12アンダー、8位タイでフィニッシュした。今シーズン3度目のトップ10入りで日本の感覚では優勝賞金に匹敵(それ以上?)する35万ドル(約3900万円)を獲得した。
ラウンド後「(予選ぎりぎりで通っても)腐らずにプレーすればいいこともある、というのを今週学びました」と復調のきっかけを掴んだ様子。
決勝ラウンドの2日間は試行錯誤してきたショットが決まりはじめ、課題の入れごろ、外しごろのパットが入ったことでストレスが軽減。「ここでこの位置に入れたのはうれしいです」と素直にトップ10入りを喜んだ。
完璧主義の松山のこと、もちろんすべてに満足したわけではないだろう。だがマイナスをマイナスとしてだけとらえるのではなくマイナスのなかに一筋の灯りをみつけ「腐らず」進んでいけば世界ランク2位(17年)だったころの凄みが戻ってくると信じたい。
一方タイガーは最終日にようやく60台(69)が出て30位タイで終戦した。成績的には満足のいくものではないが表情は明るい。
「いい線いってると思う。球を左右どちらにでもシェープ(曲げる/コントロール)することができている」。ここ2試合連続で3パット6回のワースト記録を更新してきたパッティングも改善されザ・プレーヤーズでは3パットはゼロ。「もう少し(パットが)入りさえすれば……。それ以上の課題はない」と言い切った。
このコメントは開幕まで1カ月を切ったマスターズを意識したもの。「球を自在にシェープできなければオーガスタを制することができない」と常々口にしている彼は、たとえ今季ワースト(ここまではファーマーズインシュランスオープンの20位タイがワーストだった)の成績に終わっても「惚れ惚れするようなドライバーが打てている」ことに興奮を隠せない。
前週は過去8勝を挙げている得意のアーノルド・パーマー招待を首の違和感により欠場。「正しい選択だったと思う。もし首から背中、腰痛へと進んだらまた大変なことになるからね。じっくり休んで調整しながらショットの修正もうまくいった」
これから7月まで毎月メジャーがやってくる。「4月(マスターズ)はもうすぐそこ」というタイガーは5度目のグリーンジャケットに袖を通す自分の姿しか見えていない。願わくば松山もそうであって欲しい。