タイガーの初出場時、初戦の相手はジャンボ……のはずだった!?
世界ランク上位64名が16組(4人一組)に振り分けられ最初の3日間は各組総当たり戦を行い、グループ1位の16名が決勝ラウンドに進みマッチプレーを戦う大会。組分けが勝敗を左右する面も大きく中には“死のグループ”も。
たとえばジェイソン・デイの組はフィル・ミケルソン、ヘンリック・ステンソン、ジム・フューリックと全員がメジャーチャンピオンで勝ち抜くのは至難の技。2日目を終えた時点ですでにデイは2連敗で予選敗退が決まっている。
一方タイガーが組み込まれたのは比較的マイルドなグループ。知名度があるのはブラント・スネデカーだけで、あとはツアー1勝のパトリック・キャントレーと昨シーズンの新人王アーロン・ワイズ。
大会前の下馬評ではタイガーの決勝進出は間違いないと思われていた。
予想通り初日はワイズを3&1で下し決勝進出に一歩前進。ところが2日目はスネデカー相手に一進一退の攻防を繰り広げ「お互い、いくつか手痛いミスをしてしまった」と反省の弁。途中グリーンサイドの植え込みに打ち込んだボールを左打ち、しかもクラブのトウを逆さまにしてアプローチを行い、
絶妙な距離感でパーをセーブする執念を見せたタイガーだが2&1で惜敗した。
「きっと自分の子供たちもタイガーを応援していたんじゃないかな」とスネデカーは笑ったが、確かにタイガーが出場するとしないとではトーナメントの雰囲気=華やかさががらりと変わる。
3日目にスネデカーが勝てば文句なく決勝進出。スネデカーが負けてタイガーがキャントレーに勝てば決勝進出へ望みを繋ぐことができるが果たして?
タイガーがマッチプレーに初出場したのは今大会がスタートした1999年のこと。23歳のタイガーはすでに世界ランクトップで大会でも第1シード。初戦の相手は第64シードのジャンボ尾崎のはずだった。
だがジャンボが直前に棄権。タイガー vs. ジャンボの夢の対決は幻となった。ちなみにそのとき繰り上がり出場したのが当時41歳のニック・ファルド。タイガーが勢いを見せつけファルドを一蹴し初戦を突破したが優勝はならなかった。
初勝利を挙げたのは03年。一度勝ち方を覚えると猛烈な強さを発揮する彼は04年連覇を達成し、08年に3勝目を挙げている。
マッチプレーで11年ぶりに優勝し悲願のマスターズ制覇に弾みをつけたいところだが勝敗の行方は神のみぞ知る…?