低い球を打つ、短く持つ、ボールを変える……なにもやらない
春はときに風が強く吹く季節です。アゲンストの風はティショットの飛距離を落とし、曲がり幅を大きくし、フォロー風はセカンドショットを止まりにくくします。縦の距離感、横の方向性すべてが狂う風の日のゴルフは難しいもの。それはゴルファーならば誰もが知っていることでしょう。
だからこそ、風の日はなるべく低い球を打つように心がけたり、ミート率が高まるようにクラブを短く握ってみたり、ときにはボールをスピンが少ないものに変えてみたりと、ゴルファーは様々な工夫を凝らします。せっかくのゴルフ、風が吹いたからってなるべくいいスコア(できればベストスコア)で回りたいという願いは変わりません。
さて、ある上級者がこんなことを言っていました。
「私は、風の日でもゴルフの中身は一切変えません。変えるのは、目標スコアだけですね」
ローハンディキャッププレーヤーなので、基本的に目標スコアはハーフ30台。しかし、風の強く吹く日は、その目標スコアを下方修正するというのです。
「たとえば、ピンフラッグが真っすぐにたなびくような日は、目標スコアを『43』くらいに設定します。ほぼボギーペースですね。43くらいでプレーできればOKと考えれば、難しい状況の中無理にピンを狙ったりする必要がなくなります。もちろん、攻めないわけではありませんが、風の日は無理攻めするとダボで止まらないスコアが出てしまいますから」
と、そのゴルファーは言います。下手にスウィングやら打ち方を工夫するのはむしろ怪我の元、
スコアを崩す原因となるとのこと。
たしかに「風の日は低い球を打とう」と言われてもアベレージゴルファーには難しいですが、「
スコアの目標を下げる」これなら完全無欠に上級者の真似をすることが可能です。風の日だからと意気込むのではなく、むしろ肩の力を抜くという教え、100を切りたいレベルのゴルファーにこそオススメかもしれません。