「世界ランク上位者全員にチャンスがある。混戦だよ」
マスターズの火曜日、この日は朝から天気が不安定で、午前10時に1度目のサスペンデッドのサイレンが鳴り響きました。再開は12時45分。松山英樹選手は、今日はアウトの9ホールをプレーしました。
コースでのプレーを見る限り、そこまで調子が悪いということはないと思いますが、ショットにはまだ不本意な様子で、時折ターゲットよりも右に逸れていくボールが見られます。ホールアウト後は、18時に再びサスペンデッドのサイレンが鳴った後も、ギリギリまで残って特打ち的に練習をしていました。
ダウンで手が右腰にきたあたりで右手のひらが下を向くような素振りをしている様子からは、ボールをつかまえるイメージを出したいのかなという印象を受けました。先週は風邪をひいて寝込んでいたということですが、まだ時折咳き込む様子も見られました。とはいえ、開幕までにはまだ後1日ありますので、最終的にはうまく調整してくると思います。
明らかに調子が良くないように見えたのが、世界ランク2位のDJことダスティン・ジョンソンです。練習場で見ていると、ドライバーは悪くないのですが、アイアンに関しては薄い当たりのスライスが出ていました。
意図したスライスではなく「コスリ球」という印象で、本人も打った瞬間になんじゃこりゃ、といった様子。コーチのクロード・ハーモン3世と付きっきりで修正していましたが、インタビューに呼ばれて消化不良で練習を切り上げていました。やや心配です。
優勝候補の筆頭に挙げられるロリー・マキロイは、ボール5、6個を置いて連続で入れる練習や、ラインの上にマークを置いてその上を通すといった練習をグリーン上で行っていました。最近はパターの名手として知られるブラッド・ファクソンに教わっているようですが、上手くフィーリングを整えているようです。練習ラウンドを見ても、DJより飛んでいました。
そのマキロイを「今一番勢いがあるのは彼だよ」と優勝候補に挙げたのが、ティーチング界の大御所、デビッド・レッドベターです。欧州NO.1コーチとも言われるピート・コーエンにも優勝候補を聞いてみましたが、「ワールドランク15位まで全員にチャンスがある。混戦だよ」との回答でした。
レッドベターは勝利の鍵としてグリーンを外したときのショートゲームを挙げ、コーエンは逆に13番、15番など2オン可能なパー5での取りこぼしを防ぐという意味も含めて、ロングゲームが鍵だと教えてくれました。
水曜日は晴れが予想されるジョージア州オーガスタ。そこで調子を上げ、初日にスタートダッシュを決めるのは誰か。引き続き、ウォッチしていきたいと思います。