ツアー出場権のない弟ケプカのために、メジャー3勝の兄ケプカが一肌脱ぐ!?
2017年からチーム戦として生まれ変わったチューリッヒ・クラシック。普段から仲の良いふたりがチームになるケースが多く、ふたりで考えて選んだ曲がテーマ曲としてスタートするときに流れ
、普段の試合とは少し違った雰囲気の大会になっています。
80チーム160名が木曜日からスタートし、第2ラウンド後の予選カットは35位タイまで。優勝者にはそれぞれ400ポイントのフェデックスカップポイントが与えられます。
また通常のレギュラートーナメント同様2年シードの他に、来月の全米プロや来年のマウイ島で行われるトーナメント・オブ・チャンピオンズへの出場権なども与えられます。マスターズの出場権が発生しないことと、ワールドランキングポイントが付かないことを除けば通常の試合とほぼ変わらない特典が付いてきます。
会場はTPCルイジアナ。先週に引き続きピート・ダイ設計のコースです。難易度は先週のハーバータウンのような厳しさはないにしても、ピート・ダイのコースの特徴でもある小さくてアンジュレーションの厳しいグリーン、飛距離よりも正確性が重要である点などは歴代優勝者を見てもよくわかります。
毎年注目を集める華やかなチームが必ずいくつかあります。ビッグネーム同士が組むので、どう見てもそういった組が強く見えますが、意外にもそういったチームがこれまで優勝争いに絡んだことはありません。ビッグネーム達の焦点は次のメジャーであって、モチベーションやバイオリズムがこの試合にはもうひとつ向かってこないのかなという印象があります。
今年のチューリッヒ・クラシックではアダム・スコット/ジェイソン・デイ組や、セルジオ・ガルシア/トミー・フリートウッド組などが目を引く組になりますが、今年は3年目にして初めてビッグネーム組が優勝争いに絡めるのかどうかは注目です。
優勝候補としてトニー・フィナウ/カイル・スタンリー組を挙げます。フィナウの安定度は言うまでもなく、昨年から今年にかけてはツアーでもトップクラス。先々週のマスターズでも優勝争いに加わり、タイガーの優勝を目の前で見ています。昨年はユタ州コンビということで、ダニエル・サマーヘイズと組んで6位に入りました。
スタンリーは今年に入ってから結果が出ず苦しんでいましたが、WGCマッチプレーあたりからようやく調子が上向いてきた感じで、マスターズでは21位タイに入りました。まだ個人戦だった2013年大会では3位にも入っています。ショットメーカー同士のコンビで今シーズンの流れが現在上向いてる組だと言えます。
もうひとつ注目組として、ケプカ兄弟の組を挙げたいと思います。2017年大会でこのふたりは組んで5位タイに入りました。昨年は弟チェイスはヨーロピアンツアーに出ていたので、兄ブルックスは違う選手と組んで出場しました。
今年は弟チェイスはツアーの出場資格がなく、これが2019年初戦になります。もし勝てば一発でPGAツアーの2年シードを手にすることができます。マスターズで2位タイに入ってまたメジャーで強いところを見せた兄ブルックスが、弟のためにメジャー並みに気合を入れてプレーするところを見てみたい気がします。