予想優勝スコアは“ひと桁アンダー”
2019年ダイヤモンドカップの会場はいろんな大会でこれまで何度も使用されてきた総武カントリークラブ・総武コース。東・中・西という27ホールで構成されていますが、大会では東コースをそのままアウトとして使用し、インは中コースと西コースを組み合わせて使用しています。
今回は組み合わせのパターンが2013年の日本プロと同じで、その日本プロでは金亨成(キム・ヒョンソン)が5アンダーで優勝しました。開催月も同じ5月ということで、今回のダイヤモンドカップもやはり一桁アンダーの優勝になると思います。
どこが難しいのかというと、通常営業でパー5のホールをパー4にしているホールが3つもあって、まず距離がたっぷりあります。密度の濃い林にセパレートされていて、 林の中からグリーンを狙えることはほぼありません。
5月のラフは秋のラフと違って元気があり、見た目以上にクラブに絡みついてきます。グリーンは小さく、またこの時季はフェアウェイもグリーンも硬く仕上がります。2013年日本プロでは4日間の平均パーオン率が43%と2013年25試合の中でパーオン率が最も低い大会でした。
どういう選手が上位に来るのか。距離があってフェアウェイが狭いので、ショットが良くないと苦戦してしまうコースであるのは間違いありませんが、グリーン周りからいかに拾えるかということが大事になります。
2013年日本プロでもっともパーオン率が高かった小平智でも68%。1ラウンド平均で6ホールくらいは外していることになります。小さなグリーンを捕らえるのはなかなか難しく、グリーン周りからの寄せと微妙な距離のパーパットがどれだけ決まるかという争いになるのではないかと思います。
注目選手としてまず挙げたいのはディフェンディングチャンピオンの池田勇太です。2015年16年と総武で行われたHEIWA PGM選手権では6位タイと2位という結果でした。オールラウンドな選手ですが、JGAがセッティングする難しいコースで特に強い選手で、日本オープンも2度の優勝、昨年は武蔵カントリークラブで行われた今大会を6打差で圧勝しました。
今季は東建ホームメイトカップで8位タイ。先週は欧州ツアーに参戦して、毎日安定したプレーで11位タイと良い流れで今週を迎えています。
伏兵は欧州で好調を維持する川村昌弘か
総武カントリーはフェードヒッター向き(右打ちの場合)のコースと言われています。ここでHEIWA PGM選手権を連覇した谷原秀人、日本プロで勝った金亨成、サントリーオープンで勝った片山晋呉やY・E・ヤンなどいずれもフェードを得意とするショットメーカーで、グリーン周りが上手い選手が勝っています。
現在そこにもっとも当てはまると思う選手が時松隆光です。精度の高いフェードを得意とし、リカバリー率は昨年が2位で今年は現在8位。グリーン周りとパッティングの安定感が非常に高い選手です。ここ2試合も13位タイと26位タイ。先週は最終ホールのトリプルボギーで26位まで落ちましたが、そこまでは上位争いをしており、そろそろ優勝争いに顔を出しそうな気がします。
久しぶりに日本ツアー登場の川村昌弘はアジアンツアーのランキングで現在3位につけています。今季の主戦場は欧州ツアーで、今季すでに3度のトップ10があり、ランキングは現在22位。世界ランキングも137位まで上がってきており充実したシーズンを送っています。
今週の試合は日本ツアーにもアジアンツアーにも加算されるので、両ツアーのメンバーである選手にとっては特にモチベーションが高い試合です。総武カントリーで行われた試合では今のところ成績は出てませんが、本来はこういうタイトなショットメーカー向きのコースは得意ですし、今季の充実ぶりからしても何かやってくれそうな気配はあります。