ピンのG410といえば、比嘉真美子選手、鈴木愛選手、渋野日向子選手らピンの契約選手たちがこぞってバッグに入れ、今シーズン勝利を挙げているドライバー。
重心位置を変えられる「G410プラス」とつかまりのいい「G410SFT」のラインナップに、スピンの少ない「G410LST」が加わることが発表されました。
前モデルにあたる「G400LST」は契約フリーのパトリック・リードが使ってマスターズを制したモデル。多くの契約外のプロが使ったドライバーだけに、G410プラス発表当時から「LST」の発表が心待ちにされてきました。
まずはその外見から眺めていくと、G400LSTに比べてウェート位置がヒール寄りの前寄りに移動しています。ややつかまってスピンのかからないポジションといえそうで、実際ピンの担当者によれば、200〜400回転ほどスピンが減るとのこと。
また、前作は左にいかない、言い換えればつかまらないクラブで、実際にコースで打っても時折右にすっぽ抜ける球が出ていましたが、それは解消してあるようです。
ピン本社のブースで、純正シャフト装着、ロフト10.5度のものをトラックマンで計測しながら試打してみると、なるほどスピンは少なめ。ヘッドスピードは45m/sほどで、だいたい260から265ヤードほどの飛距離。そして、「真っすぐしかいかない」という印象を受けました。
真っすぐというにはターゲットに真っすぐという意味ではなく、打ち出し方向に真っすぐという意味。スクェアに当たった球は真っすぐ、やや左に打ち出されたボールはその方向に真っすぐ飛んでいきます。右にフケるとか、スライスする球はなかなか出ません。
つかまりすぎるクラブを嫌うプロは少なくありませんが、今回のG410はスリーブが進化し、ロフト角を変えずにライ角のみを調整も可能。ですので、ライ角を調整することで、つかまり具合を調整可能。それもあって、最初の設定がつかまり方向になっているようです。実際、私がこのクラブをコースで使うとしたら、フラットに調整(3度フラット)すると思います。
なんでもG410の「9度」ロフトが想像以上に売れすぎたのか、現在欠品中なのだとか。G410は極端な低スピンではなく、安定したスピンで安定して飛ばすというクラブ。スピン量が減ってつかまりがほとんど変わらないこのクラブは、ある程度ヘッドスピードのあるゴルファーにとっては飛距離を伸ばせる可能性を秘めています。
タイガーが使ってマスターズを、ケプカが使って全米プロを制したテーラーメイドの「M5」ドライバーが売れているようですが、G410LSTはその対抗馬となるか、注目です。