よくゴルファーからもらう質問があります。それが「トッププロゴルファーでもミスをした後にクラブを芝に叩きつけるという負の感情を表に出す人がいますよね? 芝を痛めるのがダメなのは当然として、メンタル的にも良くないですよね?」という類のものです。
たしかにトップゴルファーなのに感情コントロールできてないんじゃないのと思うのももっともです。
しかし、実際はこの例のように感情を外に出したほうが気持ちを切り替えられたり、怒りのエネルギーを次のプレーへの集中に変えられるタイプのプレーヤーもいます。
逆に怒りやイライラの感情をいったん外に出してしまうとそのままその感情を引っ張ってしまいプレーへネガティブに影響するタイプの選手もいます。そのような選手は怒りやイライラが起きても前回までにご紹介したアンコントロール(自分ではコントロールできないことだと意識すること)などで感情をコントロールできると良いですね。
ということで前に出した「トッププロゴルファーでもミスをした後にクラブを芝に叩きつけるという負の感情を外に出す人いますよね? あれってどうなんですか?」という問いの答えは「負の感情を表に出してもOK。ただ、人による」になります。
そもそも論になりますがゴルフ中に「イライラする」「怒る」ことが“ダメなこと”であるという前提が多くの人にはあるようです。たしかに紳士のスポーツですが、他者に迷惑をかけないのであればイライラしてもいいし、多少の怒りの感情を外に出してもいいですよね。
そのようなイライラの感情は理想と現状に差があるときに発生するので、むしろ、そのようにイライラの感情が外に出ることはある意味人間らしさだったりもしますよね。ですので「イライラする」「怒る」ことは決してダメなことではないのです。
あなたの感情処理のタイプは?
ここでまずあなたに知ってほしいのは、まずはあなた自身が次のどちらのタイプなのかということです。
A:イライラや怒りの感情を外に出したほうが良い
B:イライラや怒りの感情を内的に処理したほうが良い
次のステップで自分はAタイプがいいのか、Bタイプがいいのかを判断されるとよいでしょう。どのように判断するかというと非常にシンプルです。次の問いに答えてください。
「あなたのゴルフの結果やパフォーマンスに対し、イライラ感情は役に立っているのか?」
イライラを言動に出したほうが気持ち的にすっきりして、次のプレーへすぐに切り替えられたり、集中力が出る気がするからイライラがパフォーマンスにつながると思う。このような方はAタイプですね。
逆に、イライラを外に出さずに自分の心の中で解決したり、他者とプレーとは関係ない話をして気持ちを切り替えるほうが次のプレーへ良い影響があり、イライラ感情は役に立たないと思う。このような方はBタイプですね。
自分に適した感情処理をする
あなたはどちらのタイプだったでしょうか? Aタイプの方は無理にイライラ感情を抑えることは逆にパフォーマンスを下げることにつながりやすいのでブツブツと自分だけに聞こえる範囲で言葉に出してもいいと思います。
ミスをした後にクラブを叩きつけるなどしているトップゴルファーはおそらく自分がAタイプだということを理解した上でやっている選手だと考えられます。イライラ感情を外に出すことでその感情を手放していくタイプですね。
自分がBタイプだという方はミスにイライラしたら、アンコントロールのテクニックを使い気持ちを落ち着かせることや深呼吸を数回することでリラクゼーションを得ることなどのメンタルテクニックを使い、気持ちを切り替えていけると良いかと思います。イライラ感情を内的に処理する方が良いタイプですね。
いかがだったでしょうか? 自分はイライラ感情を外に出し手放すタイプなのか、イライラ感情を内的に処理するタイプなのか、どちらのタイプか理解できるとゴルフでのメンタルコントロールに役立つと思います。今回の内容もぜひ、次回のラウンドなどで試してもらえると幸いです。