ペブルビーチゴルフリンクスを舞台に幕を開ける「全米オープン」。グリーンが小さく、グリーンは硬いため、正確なショット力に加え、リカバリー力が重要となるが、果たして勝つのは誰なのか!? ツアー通算9勝の佐藤信人は、3人のプレーヤーの名前を挙げた。

ショット力、アプローチ力に加え、ポアナ芝の攻略も求められる

開場100周年を迎えたペブルビーチ・ゴルフリンクスで6度目のUSオープン開催となります。

ペブルビーチでUSオープンを勝った5人のうち4人が2月のペブルビーチ・プロアマでも優勝しています。2月と6月、しかもレギュラーツアーとメジャーではあまりにもセッティングが違うので、まったく違うコースだという話をよく聞きますが、基本的なコースのレイアウトは一緒だし、ポアナ芝のグリーンは好き嫌いが分かれるところで、やはりこのコースとの相性といったものがあるのではないかと感じます。

ペブルビーチ・ゴルフリンクスの特徴のひとつとして、グリーンの大きさが極端に小さいことがあります。2月に比べてフェアウェイやグリーンが硬く、ラフも厳しいので、パーオン率はぐっと悪くなります。

正確なショットでグリーンをとらえることも重要ですが、グリーンを外したときにいかに拾えるかも重要です。総合すると、パーオン率やスクランブリングといったスタッツが重要で、西海岸(ポアナグリーン)で実績があり、最近の流れが良い選手を優勝候補に挙げます。

画像: ペブルビーチ・プロアマで2勝しているダスティン・ジョンソン。優勝争いに食い込めるか(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

ペブルビーチ・プロアマで2勝しているダスティン・ジョンソン。優勝争いに食い込めるか(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

ダスティン・ジョンソンはペブルビーチ・プロアマで2勝しており、2010年のUSオープンでは3日を終えて3打差をつけて首位でした。最終日に82を叩いて8位タイまで落ちましたが、ペブルビーチをはじめ、ジェネシスオープンやメキシコ選手権などポアナグリーンでの実績があります。

今年のメジャーは2つとも2位で、メジャー2勝目にあと1歩まで来ている印象です。パーオン率やスクランブリングやサンドセーブ率などの数字も軒並み上位で、確実に優勝争いに加わるのではないかと思います。

画像: ツアー2勝目を挙げたパトリック・カントレー。初メジャー制覇となるか(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

ツアー2勝目を挙げたパトリック・カントレー。初メジャー制覇となるか(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

2週間前のメモリアル・トーナメントでツアー2勝目を挙げたパトリック・カントレーが良い流れを持ってメジャー初制覇に挑みます。直近の優勝も含めてトップ10が今季8回。スタッツを見てもまったく穴がなく、飛距離は出るし、アイアンも上手く、スクランブリングは現在1位。我慢強く諦めない性格で、メジャーを勝つための要素全てを兼ね備えた選手と言えます。

プロ転向してから怪我や友人の死など、辛い時期を乗り越えて2年3ヶ月ものブランクを経て一昨年ツアーに復帰した舞台がペブルビーチでした。カリフォルニア州出身でもあるキャントレーにとって初メジャー制覇に向けて最高のチャンスです。

画像: アイアン巧者のヘンリック・ステンソン。正確なショットが要求される今大会で活躍なるか、注目選手のひとり(写真は2019年のマスターズ 撮影/姉崎正)

アイアン巧者のヘンリック・ステンソン。正確なショットが要求される今大会で活躍なるか、注目選手のひとり(写真は2019年のマスターズ 撮影/姉崎正)

パーオンと言えばアイアン巧者のヘンリック・ステンソンです。2013年、2015年、2018年とここ6年で3回もパーオン率1位を獲得しています。今季はまだあまり目立った成績を出していませんが、それでもフェアウェイキープ率は6位、ストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーンというアイアンショットの貢献度を示すスタッツが1位です。

ステンソンは毎年西海岸シリーズは出場せず、フロリダからPGAツアーの方は始動なので、あまりポアナ芝の経験は多くありません。それでも2010年のUSオープンには出場していて29位タイと4日間プレーしました。今季は上位は少ないものの、予選落ちはわずかに1回。先週のカナディアンオープンで8位タイと上位フィニッシュしたことで、良い流れでペブルビーチに入ってきたと言えます。

今週の天気予報を見ると傘マークはひとつもありません。硬いコンディションのUSオープンになるでしょう。

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