プロになる前からずっとそばで見ていてくれた
親子でツアーを転戦する選手は多く、男子プロよりも女子プロのほうが親子タッグ率は高い。マネージャーのように娘と一緒に全国を転戦する親子もいれば、コーチやキャディとして支えている親子もいる。三ヶ島かなと父の直さんも父娘二人三脚タッグの中の1組である。もうすぐ父の日が近いが、改めてお父さんに言いたいことがないか聞いてみた。
「父はプロになる前からずっと帯同してくれていて。ジュニアの頃というか高校は学校単位で動くけど、日本アマだけは一緒に来てもらって担いでもらっていました。卒業しても他のキャディさんを探すわけでもなく、お父さんキャディしか考えてなかった。……お金がないから(笑)」(三ヶ島)
と、冗談を交じえながらもプロ入り前から直さんが支えてくれていたと話した。以前取材をした際には、
「父は私がゴルフをやりたいと言ったときから、『ああしろ、こうしろ』と口を出したことはないんです。プレーでミスをすると子供を怒る親って結構いるのですが、父は『わざとミスをした訳ではないんだから、次にどうやってカバーをするか考えてみよう』と声をかけるだけ。でも、道をそれそうになったら後ろからちょっと軌道修正をしてくれる。その中でも大事なことは常に私の判断に任せてくれています。だから、ずっと父と一緒ですが、ゴルフが嫌になったことは一度もありません」(三ヶ島)
と語り、直さんの「見守り力」の高さをうかがわせた三ヶ島。今後も直さんに担いでもらうのか聞いてみたところ意外な答えが返ってきた。
「今シーズンはところどころ違うキャディさんにお願いしてみようと思っているんです。第三者的な目線で見てほしいというのもあるけど、(2017年の)日本女子オープンのときに宮崎さん(宮崎晃一キャディ)に担いでもらって、それで他のキャディさんってどうなのかな? って思うようになりました。でも宮崎さんと組んだとき、私あまり良くなかったんですよね。そういう意味も込めてリベンジしたいなと思っています」(三ヶ島)
実はこの宮崎キャディに担いでもらった試合、直さんは腰を痛めてバッグを担げない状態になってしまったとき。転戦での疲れが溜まり、体にも負担がかかってしまっていたようだ。他のキャディとタッグを組むことで父・直さんの負担を少しでも和らげてあげようという三ヶ島の気持ちも見え隠れする。最後に直さんにひとこと。
「父の日には昔から何もしていないんですよね……。長くいるからこそいい面も悪い面もあると思うけど、これからもよろしくお願いします!」(三ヶ島)
少し不器用な言葉だったが、やはり三ヶ島が一番頼りにしているのは長年一番近くで見守ってくれていた父であると感じさせてくれるひとことだった。三ヶ島だけでなく、これからも女子プロ界の親子タッグに注目していきたい。
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