米男子ツアーのロケットモーゲージクラシックで無名のネイト・ラシュリーが初優勝を飾った。遅咲きの36歳が辿ってきた道は我々の想像を遥かに超えるものだった。

後続に大差をつけ初日から快調にトップを走っていたラシュリーの脳裏に“あのとき”のことが浮かんだ。決して忘れることのできない15年前の悪夢。

それはアリゾナ大学時代、オレゴンで行われた全国規模の大会(NCAA)に出場したときのこと。故郷のネブラスカから両親とガールフレンド・レスリーさんが応援に駆けつけてくれた。

8歳でクラブを握ったのは両親の影響。プロゴルファーという夢を抱く息子の活躍は父と母にとって大きな誇り。応援にも熱が入った。

ところがその直後信じられない悲劇が一家を襲う。応援からの帰り搭乗した飛行機の事故で3人は尊い命を散らしたのだ。あれから長い歳月が流れたがラシュリーは「忘れられるわけがない。試合中もときどきそのときのことが頭をよぎる」という。

画像: 新規大会「ロケットモーゲージクラシック」を制したのはネイト・ラシェリー(写真はGetty Images)

新規大会「ロケットモーゲージクラシック」を制したのはネイト・ラシェリー(写真はGetty Images)

後続に7ストロークの大差をつけ優勝争いの先頭を走っていたときも3人の面影が脳裏をかすめては消えた。その都度彼は自らを奮い立たせ目の前に一打に集中した。

両親と恋人を奪われ失意のどん底に沈んだ彼は大学卒業後プロ転向したものの戦う場所もなく、生計を立てるため不動産会社のセールスマンになった。他人に家を売りながら「もうゴルフは潮どきかもしれない」と感じていたという。もちろん本音は「チャンスさえあれば自分のゴルフは通用する」。だがそのチャンスはなかなか訪れなかった。

This article is a sponsored article by
''.