1年前、シード権を持たず、ツアー出場優先順位も117位だった原英莉花。試合に出られるかもわからない立場から、少ないチャンスをモノにして賞金シードを獲得。そして迎えた今シーズン、ついにツアー初優勝を挙げるに至る「この1年」の成長を、原本人に聞いた。
きっかけは「2戦連続予選落ち」
アース・モンダミンカップでシン・ジエと優勝争いを繰り広げ、3打差の2位タイで大会を終えた翌日、神奈川県の某練習場に原英莉花を訪ねた。聞きたかったのは、「この一年間でどこが成長したと思うか?」というものだ。
「去年からの一年間ですよね(長い沈黙)……受け入れられるようになった」
原はそう答え、こう続けた。
「去年の今頃は、自分にはミスが許されないと思っていました。一個の試合に気持ちを込めて『そこしかない』と思って(出場して)いたから、ミスを受け入れられなかったですし、本当に落ち込みました。でも、今は自分がなんでミスをしたのかとか、冷静に考えられるようになりました」
ショットが飛ぶようになったでも、パットが決まるようになったでもなく、ミスを受け入れられるようになったのが一番の成長ポイントだというのは非常に興味深い。では、その成長をもたらしたきっかけはなんだったのかを聞くと、意外なことに「(フジサンケイ、パナソニックオープンと)予選落ちが2回続いたとき」なのだという。
「目標を高くしすぎるクセがある」という原が今年掲げている目標は賞金女王。2戦連続で予選落ちを喫したとき、初めて「ダメな自分を受け入れることができた」と原は言う。