今季のメジャー大会でトップ4を外したことがない世界ランク1位のブルックス・ケプカが、地元開催の全英オープンで予選落ちしリベンジに燃えるローリー・マキロイとの最終日最終組対決を制覇。WGC(世界ゴルフ選手権)初のタイトルを獲得した。
スタート45分前に会場入り、にもかかわらず平常心で勝利
今年からWGCシリーズに組み込まれたフェデックスセントジュード招待は3日目に「62」の猛チャージで単独トップに立ったマキロイを1打差でケプカが追いかける展開。
抜きつ抜かれつの息もつかせぬ勝負が見られると思いきや序盤で逆転に成功しペースをつかんだケプカがノーボギーの完璧なゴルフで65をマーク、後続に3打差をつけ今季3勝目を挙げた。
ビッグタイトルを獲得しても喜びの表現は小さなガッツポーズのみ。ポーカーフェースのチャンピオンはまるで「勝って当たり前」といわんばかりのオーラを全身から漂わせていた。
じつはケプカが会場に到着したのはスタートのわずか45分前。米ツアーでは各選手に駐車スペースが割り当てられており、ケプカの札が立ったスペースがいつまでたっても空車だったため関係者が気を揉んでちょっとした騒ぎになった。
選手にもよるが通常遅くても1時間半前にはコースに到着するもの。国内女子ツアーで賞金女王を狙うシン・ジエなどは3時間前に入って周到に準備を整えている。
ゴルフはメンタルなスポーツゆえ選手たちはなるべく独自のルーティンに従って行動したい。遅刻寸前の慌ただしい状況では平常心を保つのは難しいのだ。
ところがケプカはウォーミングアップの時間がなくても問題なし。心乱されることなくポーカーフェースのラウンドを貫き当たり前のようにトップでフィニッシュ。さすがは世界ランク、フェデックスカップランク、賞金ランクで1位を独走するだけのことはある。
マキロイも世界ランク3位、フェデックスカップランク2位、賞金ランク2位でケプカを追走しているが獲得賞金は218万ドル、2億円以上の開きがある。ちなみにケプカの今季獲得賞金は出場18試合でおよそ10億3千万円にのぼっている。
賞金といえば今大会には63名しか出場しておらず予選落ちもなし。最下位でも5万2千ドル(約560万円)が支給され、優勝賞金は174万5千ドル(約1億8800万円)と金銭感覚が麻痺しそうな額である。
そしてツアーは再来週からプレーオフシリーズに突入する。今シーズンから3試合となった同シリーズを戦い年間王者に輝くのはケプカか? それとも今回惜敗したマキロイのリベンジはあるのか? 注目だ。