新シーズンはウッズ、マキロイらビッグネームも秋から登場!
まず、2020年度のPGAツアーは、日本で初開催のZOZOチャンピオンシップやWGC・HSBCチャンピオンズの同週に行われるバミューダチャンピオンシップなどが加わり、全3試合増の49試合で行われる。開幕も約1ヶ月前倒しで、今秋行われる試合は全11試合。
例年は8試合ほどだったので、普段はほとんど試合に出ずにゆっくり休養をとり、翌年に備えて練習に取り組むビッグネーム達も、2020年1月を迎える前にWGC・HSBCチャンピオンズ以外の数試合に出ることが予想される。
また、コンフェリーツアー(下部ツアー)から這い上がってきたトム・ルイス、ビクトル・ホブランら計50名も含め、世界ランク50位に入っていない大半の選手にとっては来季のシード権確保と、マスターズなどのメジャーへの出場権獲得のため、いかに秋の陣でポイントを稼ぎ、上位に名を連ねることができるかが、非常に重要になってくる。優勝できればマスターズ出場が確定されるので、“鬼の居ぬ間”のスタートダッシュがカギだ。
以前は、ツアー選手権が終了した後の年内の試合は、オフの合間に出る肩ならし試合のような雰囲気もあったが、今年は少し様相が違う。ZOZOチャンピオンシップには過去、ほとんど秋の試合に出場したことのないタイガー・ウッズや2019年フェデックスカップチャンピオンのローリー・マキロイらの出場も決まっているように、ビッグネーム達もWGC・HSBCチャンピオンズ以外のレギュラー試合に出場するケースも多く、鼻息が荒い。
「各選手によって違うが、僕は少し試合に出て試合勘を養い、いい状態でプレーできるようにしておきたい。アメリカでもどこか海外でもいいから、試合に出て、いつでも準備OKという状態にしておきたいからね」
先日ヒザの手術を受けて、リハビリ中のタイガー・ウッズだが、「体の弱い部分を鍛えて強化し、日本でのゲームに備えて立て直さなければいけないね」と語っている。
東京五輪、ライダーカップも重なってトップ選手は大忙し!?
今年は、プレーヤーズ選手権が3月に、全米プロが8月から5月に開催時期を移した結果、3月から7月まで毎月メジャーやWGC、プレーヤーズ選手権などのビッグイベントが目白押しだった。世界のトッププロたちのスケジュールは殺人的で、中には7〜8試合、ぶっ続けで出場する選手もいたが、今季はさらに忙しくなる1年になりそうだ。
年末にはオーストラリアでプレジデンツカップが、来年には東京オリンピック、ライダーカップが開催される。その他に今年同様、ビッグイベントが毎月開催されるので、まるで体力勝負のマラソンレース。選手達も体調を管理しながら、ピークをいかにメジャーやWGCイベントに持っていくかがポイントとなるだろう。
そしてツアーには他にも変更点がある。今までは70位タイまでの選手が予選を通過することができたが、今季からは65位タイまでとなり、出場選手人数もフルフィールドの大会では132人から120人に減少。よりクオリティの高いプレーが求められ、さらに1打の重みが増すことになる。いわゆる“セカンドカット”(土曜日のプレーまでは進めるが、最下位の賞金は獲得できるものの、最終日のプレーはできない)がこれでなくなる。
ルールでも改善が見られそうだ。
全英オープンではザンダー・シャウフェレがドライバーテストを受け、違反とみなされた件が公開されて物議を醸したが、今季からは各メーカーのプロ担当がトーナメント会場にいる練習日のうちにテストが行われ、そのクラブが違反なのかどうかを選手とプロ担当だけに告げられるという。また、長年に渡り議論がなされてきた「スロープレー問題」についても具体的な対策の協議がなされている最中だそうだ。
どうなるケプカとマキロイの頂上争い……松山は?小平は?
世界ランク1位のブルックス・ケプカと2位のローリー・マキロイの互角の戦いが、2020年度も続くことになるだろう。ダスティン・ジョンソンもヒザの手術を行ったそうだが、それぞれの選手達が体のメンテナンスやスイングの改善などに年内励み、来たる2020年のビッグイヤーに向けて準備を進めている。
松山英樹の2017年WGC・HSBCチャンピオンズ以来の6勝目や初メジャー優勝、母国開催のオリンピックでの金メダルにも期待がかかる一方で、2020年度末にシード権を失う小平智にとっては、今季が正念場。活躍次第で、シード権をキープできるか否かが決まる。
「この2年間は苦しみ、悩みましたが、自分の感覚をだいぶ取り戻せてきたので、自分のゴルフにだいぶ近づいてきました。来シーズンはまたすぐに始まるので、そこからまたガンガン行きたいと思います」
7月末のウィンダム選手権でそう語っていた小平。なんとかシード権を死守すべく、好成績を期待したいところだ。