競技で「ブリヂストンかぶり」することが増えてきた
ブリヂストンのボールが売れているらしい。同社のリリースによると、8月の月間店頭売上は1位で、6月から3カ月連続で首位だという。昨年発売されたディスタンス系ボール、「ツアーB JGR」が好調で、追加発売されたマットレッドエディションも話題になっている。
なんと、契約プロの宮本勝昌が、試合で「ツアーB JGR」を実使用したという情報もある。グリーンが比較的軟らかいコンディションだったためということだが、ツアープロがディスタンス系ボールをトーナメントで使う例はあまりない。
しかし、人気を牽引しているのは、なんといってもツアー系ボールの「ツアーB X/XS」だ。発売からちょうど2年が経過したところだが、未だに巷では使用者を増やしている。実際、競技に出てみると、ブリヂストンでボールがかぶるケースが多くなってきた。
多くのゴルフギアにとって、最も売れる時期は、発売後のわずか2〜3カ月だ。毎年、矢継ぎ早に新製品が登場するのも、そんな事情があってのことだが、そんな中、2年が経過して、販売数が上がるというのは、ちょっとした事件だといっていい。
その大きな理由が、今年のマスターズでのタイガー・ウッズ復活優勝だろう。タイガーは、ナイキとのクラブ・ボール契約を離れてから、まずボール選びに着手。多くのメーカーを試した結果、ブリヂストンのボールを選んだ。現在は軟らかい打感の「ツアーB XS」を愛用中だ。
道具にこだわりの強いタイガーが選んだボールであり、実際にマスターズで結果も出たこともあって、さらに人気に火がついたというわけだ。販売構成では、当初はしっかり目打感の「ツアーB X」が6割、タイガーの使う「ツアーB XS」は4割だったというが、マスターズでの劇的な優勝のあとは、その比率が逆転し、「ツアーB XS」のほうが人気になっているという。
さらに、定量的な根拠はないが、筆者なりの体感を付け加えると、「BSがいいらしい」という口コミが広がり、それでは一度試してみるかと、他のボールからスイッチしたゴルファーが増えてきたように思える。ゴルファーの口コミでヒット作になったゴルフ用品は少なくない。ただ、そんな認知が広がっていくには、今回のように、2年くらいの期間が必要なのではないだろうか。
現在も圧倒的な人気を誇っているタイトリスト「プロ V1」が発売されて、はや20年が経とうとしている。こちらも変わらぬゴルファーの支持を集めており、国内ではダンロップの「スリクソン」が、かつては石川遼、現在は松山英樹が愛用することで、手堅い人気となっている。
さらに、多くの契約プロを抱えるテーラーメイド、キャロウェイをはじめ、近年は他のメーカーも有力なツアーボールが登場している。タイガーという大きな要因でブリヂストンが躍進したように、将来的にその勢力図に変化が表れる可能性もあるだろう。