大注目のZOZOチャンピオンシップ、その初日が終わった。トップはタイガー・ウッズとゲーリー・ウッドランドの6アンダーで、それを松山英樹が1打差で追う展開だが、アンダーパーは24人と意外に多くなく、そのうちの4名は松山を含めた日本人選手。なぜ世界の強豪たちは思ったようにスコアを伸ばせなかったのか? ゴルフスウィングコンサルタント・吉田洋一郎が現地から解説。

世界の一流が「野芝」と「林間」に手を焼き、アンダーパーは24名

7041ヤード(パー70)と、距離的には決して長くなく、グリーンも柔らかくて止まりやすかった今日のアコーディア・ゴルフ習志野CC。

超高速グリーンというわけではなく、天候も良かった今日、世界のトップ選手が78名出場して、アンダーパーでプレーしたのが24名と思ったより少なかった理由、それは日本特有の林間コースであったこと、そしてこれまた日本特有の芝の影響が大きかったと思います。

画像: トップのタイガーと1打差3位につけた松山英樹。“地の利”を生かして久しぶりのツアー優勝なるか(撮影/姉崎正)

トップのタイガーと1打差3位につけた松山英樹。“地の利”を生かして久しぶりのツアー優勝なるか(撮影/姉崎正)

まずはコースの影響。習志野CCは典型的な日本の林間コースで、各ホールは林によってセパレートされ、グリーン周りも木に囲まれています。するとどうなるかというと、ピンフラッグは揺れていないのに、上空では意外と風が吹いている、ということがよく起こるんです。

日本人選手なら慣れた状況でも、海外選手にとっては戸惑うことも多かったはず。1番ホールでジョーダン・スピースがミスショットではないのにグリーン手前のバンカーに入れ「あれ?」という表情を浮かべていましたが、まさに風の読み違えだったと思います。

もうひとつは、芝です。アメリカではラフに入れたボールは沈みますが、習志野CCの野芝のラフは状況次第でボールが浮くこともあります。その結果、ボールの下をクラブヘッドがくぐり、思うように距離を出せないといったケースが散見されました。もちろん、フライヤーを警戒してということもあったと思いますが、歴戦の猛者たちもこのような日本固有の状況に手を焼いていたように、少なくとも初日は思えました。

これは、日本人選手が海外ツアーに参戦したときに感じる戸惑いの、ちょうど逆サイドの事象といえます。海外で洋芝からのショット、パットに日本人選手が苦しむ、という話はよく聞きますが、今回のZOZOでは、海外選手たちが日本の野芝のラフに手を焼き、林間コースでの風の読みに苦慮しているわけです。

そんな中6アンダーを出してきたタイガーは流石ですし、同スコアのウッドランド、1打差の松山選手もお見事です。同時に見逃せないのは、2アンダー7位タイにつけた石川遼、星野陸也の両選手に、1アンダーの小平智選手といった日本人選手たち。“地の利”を活かせる今年はチャンスが十分にあると思います。

個人的には、タイガー、松山、石川の三つ巴の優勝争いが見たいですが……果たしていったいどうなるでしょうか。まだZOZOチャンピオンシップは初日が終わったばかり。お楽しみはあと3日間続きます。

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