渋野、TOTO初日は3アンダー9位タイでフィニッシュ
現在開催中の米女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」。初日を終えて現在トップタイは、5アンダーの鈴木愛選手とハンナ・グリーン選手。「昨年が悪過ぎてこのコースは苦手なイメージ」と言っていた鈴木選手ですが、それでも終わってみればトップの位置にいるのですから、さすがの一言です。賞金女王争いにまず一歩近づいたといったところでしょうか。
その鈴木選手と賞金女王争いを繰り広げているのが、渋野日向子選手。本日はレクシー・トンプソン選手とユ・ソヨン選手、トップレベルの選手たちと同組でのプレーです。平日の金曜日にも関わらず渋野組にはギャラリーがたくさんついていたのが印象的でした。
とくにレクシー・トンプソン選手の飛距離は、まるで男子ツアーの選手です。ドライバーショットでは最大で渋野選手の40ヤード先まで飛ばしていました。「最初から2、30ヤード置いていかれたのでビックリしました」(渋野)と試合後の会見で渋野選手も語っています。
しかし渋野選手も先週の台湾での試合に引き続きショットの調子は良好。1番ホールでバーディと良いスタートを切るものの、2番ホールはボギーで振り出しに戻ります。その後もチャンスにつける場面が続くものの、パターでつまづきなかなかバーディを奪えません。
しかし、6番パー5 、真ん中から左右に分かれる2段グリーンの左サイド、高い位置にあるピンに対してアプローチでしっかり寄せて2つ目のバーディを奪うと、続く7番ホールも2メートルのパットをしっかり入れて連続バーディ。
8番ホール、ピンチに陥るが……
続く8番ホールは、ドライバーを右の林へ打ってしまいます。ピンまで136ヤード、つま先下がりの難しいライで渋野選手が手にしたのは、7番アイアン。このセカンドショットを見事グリーンオンさせます。バーディパットは外してしまったものの、パーで切り抜けます。
「もう少しいっていたら木の幹のほうに転がっていた状況でした。あそこは運が良かったなと思います」(渋野)
続く9番パー3でも良い流れは途切れません。ピン方向に飛んだショットはショート気味でしたが、チップインバーディを決めて前半終了。後半は風が強まりショットの難度が上がるなか、パターの調子が上がってきて厳しい局面でもパーで抑える場面が増えてきます。11番ではバーディ奪取に成功するも、14番でバンカーにつかまりボギーです。
続く15、16番をパーで回った渋野選手。上がり2ホールの17、18番はどちらもパー5。2つともバーディで上がりたいコース設定です。
17番はグリーン手前にレイアップして、しっかり寄せてバーディパットを決めます。しかし18番ホールは540ヤードと長い距離のパー5。セカンドで刻みますが、3打目を寄せきれずピン奥から狙ったバーディパットを3パットしボギーでホールアウト。初日は6バーディ3ボギー、3アンダーで9位タイとなりました。
「悔しい。最後のパットを外したので、ごずってん(50点)です」(渋野)と本人は言っていましたが、十分合格点の内容だったと思います。
初日を改めて振り返ってみると、やはり8番ホールが初日のキーポイントだったかなと思います。難しいセカンドショットでもピンをしっかり狙っていきリカバリーできたことが、良い流れを途切れさせることなく後半のプレーができた一因と言えるでしょう。
ここのところ不調気味だったパターで巻き返しを図る場面も見られたので、残りの2日間もスコアを伸ばして上位争いに食い込んできそうです。リーダーボードを見ると鈴木愛、ハンナ・グリーン、キム・ヒヨージュ、ミンジー・リーなど実力者が多数。引き続き、渋野選手に注目して見ていきたいと思います。