2日目を迎えた日米女子ツアーの共催試合「TOTOジャパンクラシック」。上位進出を狙う渋野日向子のプレーを、プロゴルファー・中村修が現地からレポート!

3アンダー(69)で回りトータル6アンダー7位タイに浮上

国内ツアーで賞金女王争いを繰り広げる鈴木愛が初日トップの5アンダーをマークして迎えた2日目の今日。賞金女王を争う渋野選手も、2日目の今日はチャージをかけていきたいところです。

その思惑通り、出だしから1番、3番、4番とバーディを重ね絶好の滑り出しを見せます。7番でドライバーを左のラフ(つま先下がり)に入れ、グリーン手前まで運ぶもアプローチを寄せきれずにボギーを打ちますが、今日のボギーはこの一つだけ。ここしばらく課題だったパットの調子は確実に復調しています。

前半を34で折り返し、迎えた後半。アイアンショットが少しブレ始めピンの近くに落とせませんが、それでもグリーンを外すことはなくパーを重ね続けます。

画像: コースに一礼をしてからスタートする渋野日向子

コースに一礼をしてからスタートする渋野日向子

17番、18番はパー5が連続し、スコアを伸ばしたいところですが、17番は2オンを狙うもグリーン左に外します。そこから右サイドにあるピンに対して、ピッチエンドランのアプローチを寄せてバーディ。

鈴木愛選手が出だしから3連続バーディを奪い、スコアを伸ばしているので、なんとしても18番はバーディでフィニッシュしたいところですが、3打目残り76ヤードからピンを狙ったショットは、ピンから遠ざかるようにバックスピンで傾斜をかけ下りてしまいます。惜しくもパーでホールアウトし、今日は4バーディ1ボギーの3アンダーで終了しました。

画像: 3番で4メートルのバーディを決める

3番で4メートルのバーディを決める

前半はショットもキレがありパットも入り同組のリュウ・ユー(中国)と二コラ・ラーセン(デンマーク)の二人の米LPGA選手を相手にゲームを支配していました。こうしてみると渋野選手のショット力は海外選手の中に入っても色あせませんし、ドライバーの方向性と距離、アイアンの弾道の高さと方向性はまったく引けを取っていません。アプローチとパッティングに関しては現在進行形で取り組んでいますし、徐々に成果も出始めています。

先週の台湾で開催された試合で優勝したネリー・コルダに、3日目を終わった会見で質問する機会に恵まれました。強い風が吹いていたので、そのコントロールはどうしているのか? と聞いたところ「風の日の練習はかなりやっています。それと専属のキャディと一緒にやってきているのどんな場面でどれくらい飛距離が変わるのか積み重ねてきていることが大きい」(ネリー・コルダ)と話していました。

畑岡奈紗も米女子ツアーで組んでいるキャディを日本の試合にも帯同しているのは、そういう理由もあるんだと思います。

画像: 17番でバーディを決め今大会のキャディを務める定由早織さんとグ―タッチ

17番でバーディを決め今大会のキャディを務める定由早織さんとグ―タッチ

渋野選手はなんといってもルーキーなので、基本的にキャディは空いている人を選ぶことになります。毎週のように空いている人を探してお願いし、その中で相性のいいキャディさんを探すのもルーキーイヤーの大事な作業になります。

渋野選手の場合は、昨年のファイナルQT(ツアーの出場優先順位を決める予選会)で定由早織プロキャディにお願いし、今季の出場権を獲得した関係で今季は定由プロキャディにお願いすることが多いそうで、今週も定由プロキャディが相棒を務めています。

雰囲気を見ている限り二人の相性はよさそうですし、番手選びやパットのライン読みの感覚も、ラウンドを重ねる度に積み重ねてきているように感じます。選手の力にキャディの力がプラスされ1+1が3にも4にもなるところがゴルフの面白いところでもあります。この二人のコンビでの優勝も近い将来見られることでしょう。

話を大会に戻しますと、並みいる米ツアーのトップ選手を押しのけて、鈴木愛選手が7バーディノーボギーでフィニッシュし12アンダーまでスコアを伸ばしました。2位はギャビー・ロペスの9アンダー、3位はハンナ・グリーン、キム・ヒョージュの8アンダーです。渋野選手との差は6打差と逆転にはビッグスコアが必要な展開となりました。

会見の後、明日のためにショットを調整すると練習場に向かった渋野選手がビッグスコアを見せてくれるのか、優勝して日本ツアー参戦を狙うキム・ヒョージュが伸ばすのか、このまま鈴木愛選手が今季6勝目を日米共催のビッグマッチで挙げるのでしょうか。最終日の戦いが楽しみでなりません。

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