練習日までの雨の影響もありグリーンはソフトでボールは止まるコンディションでしたが、グリーンのスピードは11.7フィートと転がすと速いグリーンに仕上がっています。井上誠一設計の手前から奥に受けている砲台グリーンはピンに対して左右からは曲がり幅が大きく、手前からの上りは重く、奥からはかなりの速さに感じたようです。
初日に注目したのは開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」以来の姿を見せてくれた西郷真央選手です。
西郷選手はルーキーとして米女子ツアーを戦い、トップ10を7回(うち2位が2回)とルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得の最有力候補に挙がる活躍を見せています。昨日の会見では米女子ツアーを振り返り評価できるポイントを話してくれました。
「前半は思うようにプレーできなかったり、思うようなプレーができないことが多かったのですが、その中でちょっとしたきっかけが積み重なって上位でプレーすることが増えてきて。上位で戦えるようになってからはまた違った環境でプレーできているので良い経験になっているなと思うのですが、今年優勝できていないのでまだまだだなと思います。でも、上位で戦える機会が増えたということは評価できるのかなと思います」(西郷真央)
ゴルフの調子については前週の「メイバンク選手権」の初日に63とロケットスタートしたものの最終順位は30位で終え「調子はまだそこまで上がっている感じではないのですが、なるべく早めに仕上げたい」と話していました。
実際にプレーを見るとフィニッシュで手を離すシーンもありましたが、しっかりと要所を抑えて4バーディ2ボギーの2アンダー34位タイで終えました。スウィングスピードも速くなっているように感じましたし、米女子ツアーで揉まれて心身ともに一段と強くなったような印象を受けました。明日以降は修正しスコアボードを駆け上がってくることでしょう。
そして9アンダー63と爆発した脇元華選手。宮里藍やアニカ・ソレンスタムと並ぶコースレコードタイを記録し「藍さんと、一緒ですか? めっちゃ嬉しいです!」と声も弾みます。「最近ショットの調子が良かったので、ショットに自信を持って打てていた」とショットでチャンスを作り、バーディパットを確実に決めていました。
プレーを見ていても、いつも通りかいつもよりも楽しそうにプレーする姿にまだスコアを伸ばしそうだと感じた通り、最終9番ホールではチップインバーディを決め63のビッグスコアで初日を終えました。
2打差2位の元世界ランク1位のコ・ジンヨン選手は、前半を1バーディで折り返すと後半は小気味よいプレーで6つのバーディを奪い7バーディノーボギーと手強い選手が初日を好スコアで終えています。そして6アンダーで3位タイのリン・グラント選手は、2年前の今大会で3日目、4日目に67を並べ3位に入っている選手です。
スウェーデン出身ですがアリゾナ州立大に進んだ後に欧州女子ツアーから米女子ツアーへとステップアップし今季は初優勝を挙げています。左手をストロンググリップで握り、フェースを開かずに上げ体のターンで打つスウィングで飛距離も魅力の選手です。
「プラン通りにプレーできたのでストレスがなかった」といいます。そのプランを聞くと
「2 年前にプレーした時の良い思い出があります。このコースはフェアウェイが狭くて、ドライバーが鍵になってきます。ティーイングエリアに立った時に、ショットに集中する必要があります。グリーンの傾斜が奥から手前に下っているのでピンの手前に落とすようにして、上りのパットを心がけました。各ホール、シンプルなプランを立ててその通りにプレーしようと思いました」
とラウンド後の会見で話しました。明日は雨の予報なので飛距離のある選手が有利になるような気がします。
写真/中村修