「曲がるし、飛ばないし、入らない、ポンコツです」と後ろ向きだが……?
明日から開催される「ダンロップフェニックストーナメント」に出場する松山英樹選手。月曜日には谷原秀人選手、佐藤太平選手と東北福祉大の先輩後輩での練習ラウンドをこなし昨日は中嶋常幸選手、堀川未来夢選手とラウンドを共にしました。
終始リラックスした雰囲気でショット、パットとも調子は上々に見えました。しかし、今日のプロアマではティショットはラフに行き、アイアンはショート。パットも精彩を欠いていました。
松山選手の様子を見にきたテレビ放送の解説を務める加瀬秀樹プロとの会話では「仕上がってきたと思って試合でも上位で戦えるかなと思っていましたが、曲がるし、飛ばないし、入らない、ポンコツです」と渋野日向子選手のコメントを思わせるような言葉が聞こえてきました。
素振りやシャドースウィング、パッティングもしっくりくるポジションや体の動きを確認する様子が見受けられ、ちょっとした違和感を感じているようでした。
今日の様子を見ていて感じたのは、調子自体が下がってしまったわけではない、ということ。たとえば、いくら体調が絶好調でも、消化の悪いものを食べ過ぎればその直後は体の動きが鈍くなってしまいまうように、今日の違和感は一過性のもの。いつものように、この後の練習で調整し、最終日に向けて調子を上げて来るものと思います。
松山選手のキャディバッグに目を向けると、アイアンを新調したと話していた通り、昨日は新品のマッスルバック「Zフォージド」と刻印されたアイアンがバックに収まっていましたが、前述の違和感もあってか今日の練習では使い慣れた「Z965」に戻していました。実戦投入は見送りになりそうですね。
また、数週間前から使っているというブレードタイプのソールを後方に伸ばした新しいスコッティ・キャメロンのパターも引き続き使用していました。
トップの“間”が短くなった
さて、次にスウィングを見てみましょう。ZOZOチャンピオンシップを見ていたみなさんも感じたことではあると思いますが、トップで止まっているかのような松山選手の特徴である“間”が、かなり短くなっています。そのことで、動きに流れが生まれスムーズにボールにエネルギーを伝えられています。
ややウィーク気味に握りトップでのフェースの向きはややオープン、スウィング中にフェースを開閉させて使うタイプの松山選手ですが、フェースの開閉を使うことでボールを自在に操るコントロール性を生んでいますし、その動きはアプローチの多彩なバリエーションや柔らかさにもつながっています。
インパクトを見ると力強いですが腕には力感が感じられず、太い脚や体幹部で押し込むように振っていることが見てとれます。大柄で筋肉量も多いはずですが柔軟性も感じられます。10月末に開催された上海(WGC HSBCチャンピオンズ)で腰を痛めたということですが、順調に回復してきているようです。
会見では、「4日間やる中でゴルフの状態を上げられれば」と話していました。今シーズンの国内ツアー初参戦の松山選手ですが、予選ラウンドは飛ばし屋のキャメロン・チャンプ選手、今平周吾選手と同組。非常に楽しみな組み合わせです。
ZOZOチャンピオンシップで最後までタイガーを追い詰めた、強い松山選手のゴルフに期待します。