アイアンの買い替えで失敗したくないならば、各メーカーのレンタルサービスを利用して芝の上で試打をしてほしいと話すのは業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。その理由を聞いた。

アイアンには、マットでは感じられない性能がある

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。今日はアイアンのお話です。アイアンはバッグの中で一番本数が多くなりやすいクラブ。使う回数も多いですし、買い替えとなるとどうしても金額が高めになってしまいがちなので、いざ買い替えるとなるとかなり勇気がいりますよね。

それだけに後悔しないようにしっかりと下調べをして購入したいものです。現在では、ショップなどで気軽に試打ができるようになっているため、購入前の情報収集はかなり楽になりました。ですが、日本の環境ではなかなか本番と同じ状況、つまり芝の上で試打するというのが難しい。

できればアイアンはフェアウェイやラフ等の芝の上からチェックしてもらいたいなと思っています。アイアンにはマットでは感じにくい性能がいくつかあるからです。

画像: 地面から直接打つことの多いアイアンは、人工マットでは感じにくい性能が隠されている(撮影/有原裕晶)

地面から直接打つことの多いアイアンは、人工マットでは感じにくい性能が隠されている(撮影/有原裕晶)

マットでは感じにくい性能のひとつに芝からのヘッドのヌケがあります。マットでは少々手前からヘッドが入っても滑りやすいのでエッジから接地しようがソールから接地しようがそこそこ飛んでくれますが、コースではそうはいきません。

マットは、びっしり密集した硬めの人工芝がボールを支えていますが、日本のコースは硬めの地面に柔らかい芝が適度に密集した状態でボールを支えるため、マットと比べ少しボールが浮いたような状態になり、そのすぐ下は土ですから直接ヘッドが触れれば非常に大きな抵抗になります。

芝の長いラフに入れば、ボールの周りにも芝が密集しますのでその芝の抵抗も増えてきます。これだけ環境が違うのですから、マットだけでは本当のそのアイアンの実力を測りきれない可能性があるのです。

このヘッドのヌケに影響するのがヘッドサイズとソールの形状です。ヘッドサイズが小さいほど抵抗が減るので必然的にヌケは良くなりますし、ソールの形状は幅の広さとバウンス角の大きさによって接地時のヘッド挙動がかなり変わります。

その人のスウィングやヘッドの入射角によってベターな形状は変わりますが、一般的にソール幅が狭いとボールをクリーンにとらえやすい反面地面に刺さりやすく、ソール幅が広いと少し沈んだボールなどはクリーンにとらえにくくなる反面少々手前から接地しても滑りやすいのでミスの幅を狭めてくれます。

バウンス角に関しては大きいほど刺さりづらいですが、大きすぎると跳ねてしまうこともありますし、小さいと刺さりやすくなります。ソール形状とバウンス角は組み合わせによって性能がかなり左右されるため、是非とも芝の上でテストしたいところです。マットではヘッドが跳ねてしまってトップが多いというアイアンもコースに行けばミスを助けてくれるやさしいアイアンの可能性ということだって大いにあります。

画像: 実際に芝の上から打てる練習場などで打ってみるのもいい(撮影/有原裕晶)

実際に芝の上から打てる練習場などで打ってみるのもいい(撮影/有原裕晶)

メーカーで、一定の期間クラブの貸し出しサービスをやっているところが増えているのをご存知でしょうか? ラウンドの日などに合わせて2泊3日くらいの期間で貸し出しをしており、実際にコースで打つということも可能になっているので、是非そういったサービスを利用してみてください。きっとメーカーも芝の上での真価を体感してもらうのを望んでいるはずです。

思い切って自分では難しいかなって思うモデルを借りるのも良いと思います。こういったことをたくさんのゴルファーに経験していただいて、見ただけで難しい! といった先入観をできるだけなくしてもらいたいなと個人的には思っています。

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