オリンピックゴルフランキングとは?
オリンピックに出られるか出られないか。それを決めるのが「オリンピックゴルフランキング」だ。
後述するようにいくつかの条件があるのだが、基本的にはこのランキング上位に入ることがオリンピックに各国代表として出場するためには必要となる。
オリンピックゴルフランキングはゴルフの国際競技連盟である国際ゴルフ連盟(IGF)がホームページ上で毎週発表するもの。
男子は2018年7月1日から2020年6月22日までの期間、女子は2018年7月8日から2020年6月29日までの期間で算出される。
これらは男女の世界ランキング(女子はロレックスランキング)をもとに算出されるが、世界ランクと見比べるとその違いは一目瞭然。端的に、オリンピックゴルフランキングは「現時点で誰がオリンピックに出られるか」がわかる仕組みになっている。
オリンピックへの出場資格
まずは東京オリンピックへの出場資格をおさらいしておこう。出場人数は男女それぞれ60名だ。
【1】男子は2020年6月23日、女子は2020年6月30日時点でのオリンピックランキング上位15位までの選手(各国最大4名)
【2】16位以下は、15位以内の有資格者も含め、1カ国2名が上限
【3】アフリカ、アメリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニアの5大陸ごとに一人も出場資格を有するアスリートがいない場合、男女ともに最低1つの出場枠が保証される。
【4】大会ホスト国(日本)に出場資格を有するアスリートがいない場合、男女とも最低1つの出場枠が保証される。
トップ15までに入れば4人まで、それ以下なら2人が代表の枠となる。それを踏まえ、2019年12月10日現在の男子のランキングから、トップ15の名前を挙げてみよう。
<男子>
1 ブルックス・ケプカ(アメリカ)
2 ロリー・マキロイ(アイルランド)
3 ジョン・ラーム(スペイン)
4 ジャスティン・トーマス(アメリカ)
5 ダスティン・ジョンソン(アメリカ)
6 タイガー・ウッズ(アメリカ)
7 ジャスティン・ローズ(イギリス)
8 トミー・フリートウッド(イギリス)
9 フランチェスコ・モリナリ(イタリア)
10 ポール・ケーシー(イギリス)
11 アダム・スコット(オーストラリア)
12 シェーン・ローリー(アイルランド)
13 ルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)
14 松山英樹(日本)
15 バーンド・ワイズバーガー(オーストリア)
これをワールドランキングと比較してみると、ワールドランク7位にはパトリック・カントレー、9位にはザンダー・シャウフェレ、11位にはウェブ・シンプソン、12位にはパトリック・リード、13位にはブライソン・デシャンボーと、15位以内に限っても複数のアメリカ人選手がいる。
しかし、出場できるのは15位以内で各国最大4名のため、“4人目”のタイガー・ウッズ以下の名前はオリンピックゴルフランキングにはないわけだ。
タイガーは世界ランク6位だが、アメリカの選手層がずば抜けて厚いため、アメリカ代表としては当落線上となっている。
現時点での“有資格者”男子は松山・今平、女子は畑岡・渋野
さて、以上のように複数の有力な米国人選手がシステム上姿を消しているため、世界ランク21位の松山英樹も、オリンピックゴルフランキングでは14位に繰り上がっている。
松山英樹が15位以内にいるとはいえ、16位以下の出場枠は15位以内の有資格者を含めて各国最大2名なので、日本の男子選手の出場枠は現状ではあとひとつ。
2019年12月10日現在では、世界ランク32位でオリンピックゴルフランキング18位の今平周吾が該当者となる。ちなみに石川遼の世界ランクは82位。石川がオリンピックに出場するためには、2020年6月22日までにポイントを積み重ね、今平、あるいは松山の世界ランクを上回ることが条件となる。
では女子はどうか。女子は、日本人選手の状況だけ押さえておこう。
5位 畑岡奈紗
12位 渋野日向子
この2人は現時点で15位以内。もし現時点で締め切りとなれば、日本代表は畑岡・渋野のコンビだ。そして、この二人を追うのが、ロレックスランキング17位の鈴木愛。
理想的シナリオは、畑岡、渋野、鈴木が3名とも2020年6月29日のタイミングでオリンピックゴルフランキング15位以内に入り、3名ともに日本代表として東京オリンピックに出場することだろう。
鈴木に次ぐのはロレックスランク54位の稲見萌寧、62位の上田桃子、64位の河本結、66位の比嘉真美子、69位の勝みなみ……といったところ。
会場は霞ヶ関CC。ところでリオ五輪でのメダリストは覚えてる?
東京オリンピックのゴルフ競技の舞台は霞ヶ関カンツリー倶楽部。男子は2020年7月30日から8月2日、女子は8月5日から8月8日の日程で開催される。
<男子>
金 ジャスティン・ローズ
銀 ヘンリク・ステンソン
銅 マット・クーチャー
<女子>
金 パク・インビ
銀 リディア・コ
銅 フォン・シャンシャン
これが前回、リオデジャネイロ大会でのゴルフのメダリスト。東京では、誰が表彰台に登るのか。そしてその前に、誰が国を背負って出場するのだろうか。答えが出るのは、2020年6月末だ。