年が明け、いよいよオリンピックイヤーとなる2020年が始まった。約半年後に迫った東京五輪での活躍が期待される松山英樹のスウィングを、プロゴルファー・中村修が改めて分析した。

オリンピックゴルフランキングは現在13位

東京オリンピックの注目選手と言えば、“日本のエース”松山英樹選手は外せませんよね。オリンピックランクは昨年末の段階で13位と、日本人選手ダントツで最高位。このままいけば、出場は極めて有力といっていいでしょう。

2017年以来ツアー優勝からは遠ざかっている松山選手ですが、昨年10月のザ・CJカップでは3位、その翌週日本で開催されたZOZOチャンピオンシップではタイガーを猛追し2位と、2019-20シーズンは調子が上向いています。

画像: 東京五輪での活躍が期待される松山英樹(写真は2019年のZOZOチャンピオンシップ 撮影/姉崎正)

東京五輪での活躍が期待される松山英樹(写真は2019年のZOZOチャンピオンシップ 撮影/姉崎正)

自国での開催ということもあり、とくに期待が集まっている選手の一人でしょう。

トップの“間”が短くなり、流れがスムーズに

そんな松山選手のスウィングはフェースの開閉を活用して振るタイプ。グリップに注目すると、手の甲側がほぼターゲット方向を向くくらい、スクェアからややウィーク気味に握っていますし、トップでのフェースの向きもややオープン気味ですね。

画像: フェースの開閉を活用して飛ばす松山は、トップでのフェース向きもシャットではなくややオープン(写真右)(写真は2019年のシュライナーズ・ホスピタルズ 撮影/姉崎正)

フェースの開閉を活用して飛ばす松山は、トップでのフェース向きもシャットではなくややオープン(写真右)(写真は2019年のシュライナーズ・ホスピタルズ 撮影/姉崎正)

松山選手のスウィングの特徴と言えば、トップからの切り返し。一瞬止まっているかのように見える“間”の取り方ですが、昨年から間を取る時間がかなり短くなりました。スウィングの流れがスムーズになったことで、ボールにエネルギーが伝わりやすくなっていますね。

ダウンスウィングではフェースを閉じながらクラブを下ろしていきます。インパクトでは左腕とクラブが一本の線となり、左手甲がターゲット方向を向いていますね。左手甲とフェース面の動きが連動することで、方向性も良く再現性が高いインパクトができています。ハンドファーストの度合いによって多少の違いもありますが、どの一流選手にも共通している動きのひとつです。

画像: 方向性、再現性ともに高水準なインパクトの形(写真は2019年のシュライナーズ・ホスピタルズ 撮影/姉崎正)

方向性、再現性ともに高水準なインパクトの形(写真は2019年のシュライナーズ・ホスピタルズ 撮影/姉崎正)

今回はドライバースウィングを取り上げましたが、そもそもアイアンは世界でも一級品の実力。試合でのスウィング調整・修正力も高く、モンスター級のプレーヤーが揃っているPGAツアーでも安定して上位に来る実力が、松山にはあります。

現在もっとも金メダルに一番近い日本人選手と言って間違いないでしょう。非常に楽しみです。

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