ベストスコアは「パープレー」。“魂のエース”はゴルフもスゴい!
小澤美奈瀬(以下小澤):皆さんこんにちは、USLPGAティーチング会員の小澤美奈瀬です。今回は元千葉ロッテマリーンズの「魂のエース」、ジョニー黒木さんです。
ジョニー黒木(以下黒木):どうも、よろしくお願いします。
小澤:よろしくお願いします。ジョニーさんはゴルフ歴はどれくらいなんですか。
黒木:22~23年くらいですかね。
小澤:じゃあ現役時代から。
黒木:野球選手はオフになると2か月間に30ラウンドくらいやったりするんですよ。それで、ヨシ掴んだぞ! と思った頃に次のシーズンが開幕するので、なかなか上手くならないですね。
小澤:解説者になられて今は、いかがですか。
黒木:練習はほぼゼロです。ラウンドは月に2回行けたらいいかなって感じですね。
小澤:でも凄くお上手とお聞きしましたよ。平均スコアはどれくらいですか?
黒木:80台前半から70台後半という感じですかね。
小澤:え! 全然練習されないのに、さすがアスリートですね。
黒木:いやいや、でもたまに90とか叩く時もありますよ。
小澤:ちなみにベストスコアは……?
黒木:パープレーです。
小澤:素晴らしい!
黒木:でもなかなかアンダーが出ないんですよね。
小澤:ハーフではありますか。
黒木:ハーフは「32」というのがあります。でも「32」、「50」でしたけど。ハーフで食事して、周りから、「まあまあ飲めよ」とやられて(笑)。
クラブが外から下りてきてしまうのがジョニー黒木のお悩み
小澤:黒木さんの今のお悩みって何ですか?
黒木:まず、トップの位置が決まらないというのがあります。そしてダウンスウィングでクラブは立てて下ろした方がいいのか、寝かせて下ろした方がいいのか、そこらへんが分からないんです。この一連の「切り返しあたりの動き」が悩みというか、良く分からないところなんですよね。
小澤:曲がったりはするんですか。
黒木:元々、フェード系なんですけど、これが左に引っ掛け始めちゃうと自分のゴルフが分からなくなっちゃうんですよね。それも、トップからの切り返しの部分で軌道が安定してくればショットも安定するんじゃないかと思っているんですけれどね。
小澤:わかりました、じゃあ早速、8番アイアンでやっていきましょう。
――さっそくボールを1発打つと、やや左目に138ヤード。2球目はフェードで163ヤード、3球目はまっすぐ飛んで、なんと177ヤード!
小澤:凄い飛びますね!
黒木:いや、これは飛びすぎだと思います。
小澤:バックスウィングからトップポジションは凄く綺麗なので、今のままでイイと思います。で、お悩みの切り返し以降の動きですが、クラブがバックスウィングの軌道よりも、ちょっとだけ外から立って入ってきています。そこの部分を変えてあげると安定した球になっていくのかなと思いますね。
シャローにクラブを下ろすには「腕相撲で負けてから、アンダースロー」
黒木:まさに、そこは悩みどころなんですよ。今でいうシャローというのか、クラブを寝かせるという感覚が欲しいんですけど。どうしても力が強いのか、立って入っちゃうんですよね。
小澤:ダウンスウィングでクラブが外から立って下りてくるというのは、右腕の力が強くなり過ぎている状態なんです。外から入ってきてフェース面がクローズ気味に当たったりすると、ジョニーさんが気にする左への引っ掛ける球が出たりします。そこで、切り返し以降にクラブをインサイドからシャローに下ろしてくるコツなんですが、「右手が負ける動き」というのが欲しいんですよね。どんなイメージかというと、腕相撲なんです。
黒木:え、腕相撲ですか?
小澤:そう。腕相撲で負ける感じ。勝つ時はこう(右手が被る動き)になりますよね。そうじゃなく右腕は腕相撲で負ける(右手が甲側に倒れる)動きになるんですよね。で、負けてから後は、アンダースローみたいな動きじです。
黒木:あ、僕、オーバースローなんですが……(笑)。
小澤:え、そうなんですか(笑)。
黒木:でも分かります。右手が負けてから、アンダースローですね。
小澤:そうです。ギリギリまで負けて、最後にアンダースローで行くというイメージですね。
――小澤のアドバイスを受け、再び打ち始めた黒木。慣れないスウィングで1球目こそ122ヤードだったが、その後グングン飛距離を伸ばし、わずか6球でレッスン前より16ヤード伸ばし、193ヤードを叩き出した黒木。8番アイアンでこの飛距離は驚異的だ。
小澤:うん、いいですね。楽に振れていて、上手くシャローに入っています。なんか綺麗すぎて見入っちゃいますね。今、ドンドンと飛距離が伸びているんですが、感覚的にはどうですか。
黒木:力を入れていなくても、ヘッドが走る感覚が出ましたね。クラブに振られている感じです。「右手が負ける」ことでトップからの切り返しでクラブの重さを感じられて、タメのような感覚が出ますよね。その重さを感じられるのでヘッドが走って、このように飛距離が出たのかなと思います。野球でもボールを投げる時にボールが軽いと感じると力が伝わらないんですよ。腕に力が入らずに、ボールが重たい感じでリリースした方が指先が走ります。
小澤:へぇ~。
黒木:多分、ゴルフスウィングも同じことだと思うんですよ。肩や腕は力があるので、力任せに振ると、クラブが軽い感じがして軌道がブレる感じがしますよね。
小澤:素晴らしいです! 飲み込みの早さは、さすがアスリートです。
黒木:ありがとうございます!
協力/ヒルズゴルフアカデミー