自身が大会ホストを務める「ジェネシス招待」で2アンダー、17位タイとまずまずのスタートを切ったタイガー・ウッズ。今大会にゆかりのあるウッズが、大会前に幼い日の思い出を語った。

幼い日に見たトム・ワトソンとそのキャディ、ブルース・エドワーズの思い出

ジャック・ニクラスのメモリアル、アーノルド・パーマーのアーノルド・パーマー招待と並んで、ジェネシスは今年から招待試合に格上げされた。

今大会はロサンゼルオープンの名称だったころからタイガーにとってゆかりの試合。92年に16歳でプロの試合に初出場したのもここ。今回は大会前の記者会見でとっておきのエピソードを口にした。

画像: 自身が大会ホストを務める「ジェネシス招待」の初日を2アンダー、17位タイでスタートしたタイガー・ウッズ(写真は2020年のファーマーズインシュランスオープン 撮影/姉崎正)

自身が大会ホストを務める「ジェネシス招待」の初日を2アンダー、17位タイでスタートしたタイガー・ウッズ(写真は2020年のファーマーズインシュランスオープン 撮影/姉崎正)

「子供の頃プロの試合を見に来たのはサンディエゴ(トーリパインズ)とここ。コースでギャラリーからトム・ワトソンがやってくると聞いて8番に向かった。そしたらちょうど目の前にワトソンが打ってきたんだ。2打地点には僕以外ほとんど誰もいなかった。すぐそばでボールを観察していたらブルース(当時のワトソンのエースキャディ)がやってきて“おい、少年。そこをどきな”といわれ肩を押された(笑)」(タイガー)

「その光景が強烈でプロになってからブルースにその話をしたら“キミが僕らの進路に立ってたから。邪魔だったんだよ”といって笑われた」(タイガー)と当時の思い出を語ってくれた。

父・アールさんに連れられ華やかなプロの世界を垣間見、瞳を輝かせた少年時代のそんな思い出が胸をよぎる。「歴史のある大会がこうして自分のトーナメント(ホスト大会)になるなんて本当に感慨深い。どんな結果になるかわからないけれど日曜日にもし期待したような結末になったらもっと思い出を話したい」とタイガーは柔和な笑顔を見せた。

大会初日は高低差のある1番パー5でイーグルパットを沈める幸先の良い滑り出し。しかし後半に入って2つのボギーを叩き2アンダー69に止まり首位のマット・クーチャーとは5打差。

世界ランク1位に返り咲いたばかりのロリー・マキロイや元ナンバー1で復調気味のジェイソン・デイなど上位には実力者がひしめいているが、残り3日、主役の巻き返しが期待される。

ちなみにタイガーのエピソードに登場したワトソンは以前インタビューしたとき「なりたかった職業は?」という質問に「アーノルド・パーマー」と即答したもの。彼にとってパーマーは実績、人となり、すべてが憧れだった。

そしていまタイガーに憧れてクラブを握った世界中の多くの若者がツアーを席巻している。憧れが目標になりやがて同じ舞台でライバルになる。米ツアーではこうした健全なサイクルがうまく機能している。

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