2020年から楽天イーグルスのコーチに就任した元プロ野球選手・今江敏晃がドラコン女王・杉山美帆に入門し、飛ばしのノウハウを伝授してもらう今シリーズ。今回は、飛ばしには必須であるものの、なかなか身に付けるのが難しい、上半身と下半身の「捻転差」の作り方を教わった。

捻転差ができない理由その1:わき腹周辺の筋肉が硬い

今江:今回は、飛ばしの体の使い方を少し詳しく教えて頂きたいのですが。

杉山:分かりました。まず、飛ばしの体の使い方でいうと、ダウンスウィングでできる上半身と下半身の「捻転差」が絶対に必要です。でも、多くの人はダウンスウィングで下半身と胴体が一緒に動いてしまうんです。どうしてそうなるかというと、一つは柔軟性の問題で、とくにわき腹周辺の筋肉が硬くなっているのが原因です。

今江:ああ、ソレ、僕です(笑)。

杉山:そこで、捻転差を作るためにまず、わき腹を柔軟にするストレッチをしていきたいと思います。

今江:お願いします!

杉山:よくあるストレッチなんですけれど、クラブの両端を持ち、両手を真上に上げ、体を左に倒します。この時に反対側の右のわき腹が伸びていることを意識しながら、ゆっくりと「1」、「2」、「3」、「4」、「5」と5カウントします。そして次に、体を右に倒して同じように5カウント。これを5セット行います。

画像: 両手でクラブの両端を持ち、わき腹を伸ばすストレッチ

両手でクラブの両端を持ち、わき腹を伸ばすストレッチ

今江:結構効きますね、コレ。

捻転差ができない理由その2:上半身で球を打ちにいってしまう

杉山:「捻転差」が出来ないもう一つの理由は、ダウンスウィングの切り返しの時に、上半身で球を打ちにいってしまうために、下半身と胴体が一緒に動いてしまうパターンです。

今江:そうなんです。切り返しの動きは、下半身からというのはよく言われるので分かってはいるんですが、イマイチできないというか……。

杉山:それに関しては、私のお気に入りのドリルというかストレッチがあるので、ちょっとやってみましょう。まず、【1】アドレスの状態で正面を向き、【2】次に、持っているクラブを体の右真横に杖のように立てる。【3】右手を下、左手を上にしてグリップの部分を握りましょう。これで準備完了です。今、上半身(胸)は右を向いていますよね。その上半身を右に向けた状態で、下半身だけを左に回していきます。

画像: 上半身は右を向いたまま、下半身だけ左に回して捻転差を作るストレッチ

上半身は右を向いたまま、下半身だけ左に回して捻転差を作るストレッチ

今江:あ、コレ凄い! あぁ~! 声、出てもうた。

杉山:ハハハ(ちょっと満足気)、キツイですよね。腰を少し左に回すだけでもけっこう効果がありますよ。

今江:質問なんですけど、下半身を回すときに左のひざは伸ばしていいんですか? それとも曲げたままのほうがいいんですか?

杉山:今、見ていると、今江さんは腰を左に回転する時に、ベルトのラインが左に上がっちゃっているんです。でも実際は、腰は上ではなく、水平方向に回して欲しいんです。ですから、左ひざは曲げたまま、腰は左方向へ少し回す、という感じでやってみてください。

今江:もう一つ質問なんですが。この時に左腰を後ろへもっていくイメージなのか、右腰を前に出すのか、どっちのイメージがいいんですか。

杉山:出すイメージだと先ほど言ったような左腰の伸び上がりにつながるので、左腰を回していくイメージの方がいいですね。その時に大事なことは、左肩が一緒についていかないようにすることです。ダウンスウィングで捻転差が作れなくて、上と下が一緒に回ってしまうタイプの人は、この上半身は右に向けたまま、腰を少しだけ左に回していく、このタイミングとか動きを、このドリルで身に付けてください。

今江:これをやる時に、どこに一番ストレッチが掛かるのが良いやり方なんですか?

杉山:左のわき腹が伸びて、右のわき腹はギュッとねじれます。

今江:僕は右が辛いです。潰れるような感じになりますよね。

杉山:スウィング中に上半身と下半身が一緒に動く人は、この右わき腹が伸び縮みする感覚がまったくないと思うんですよ。

今江:確かに、今までのスウィングではあまり感じませんでした。

杉山:だからこのストレッチをして、「ゴルフのスウィング中に右わきはこんなふうに動くんだ」って感じでもらえると、捻転差が出来て飛ばせるスウィングが分かってくると思います。

画像: ストレッチによって、スウィング中の右脇腹が伸び縮みする感覚がつかめる

ストレッチによって、スウィング中の右脇腹が伸び縮みする感覚がつかめる

今江:これ、すごくわかりやすいです。ダウンスウィングって、こういう感じで振るんですね。ショットをイメージしながら、このストレッチをやるといいんですよね。いや、コレけっこう好きです。僕が求めていたものですね。

杉山:“求めて”いたんですか⁉

今江:プロの打球って、クラブを振った後にボールがシューンと飛んでいく感じがするんですよ。でも僕らは、振ったと同時にボールが出て行く感じがするんです。それはやっぱり、今日やった『捻転差』が出来ているかいないかの差なんだと思うんです。

杉山:多分、下が先に行ってから、遅れて手が下りてくるから、そう見えるのかなと思います。

今江:その切り返し直後の動きを、どうやればいいのか分からなかったのが、今回、あ、こういう感じなんだってわかりました。

杉山:かなり気に入っていただいたような感じがするんですけど。

今江:かなり、気に入りました。

杉山:やればやるほど腰回りが柔らかくなるし、捻転差がついてくると思いますので、家でドリルとしてやったり、ショットの前のルーティンに採り入れたりしてみてください。

今江:はい。今日から、毎日やります!

写真/野村知也 協力/新橋ゴルフスタジオ

画像: ドラコン女王杉山美帆が今江敏晃に教える!飛距離を伸ばす体の使いかた www.youtube.com

ドラコン女王杉山美帆が今江敏晃に教える!飛距離を伸ばす体の使いかた

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