昨年ツアールーキーながら全英女子オープン制覇という快挙を成し遂げ、賞金女王争いも繰り広げた渋野日向子。そんな彼女をサポートしているコーチ・青木翔は、自らの指導法を「ティーチング」ではなく「コーチング」だという。コーチングとティーチングの違いはなにか? 自身の著書「打ち方は教えない」から紹介!

気づかせる「コーチング」と教える「ティーチング」

僕が行っている「コーチング」は、選手自身に気づきを与え成長をさせていく方法です。

一方で、「ティーチング」という、技術を教え成長させる指導法もあります。主体となるのが教わる側なのが「コーチング」、教える側なのが「ティーチング」だと考えると分かりやすいかもしれません。

おそらく多くの人が「教え・教わる」や「レッスン」、「練習」というものから想像するのは後者でしょう。

なぜなら、日本の教育ではティーチングが広く採用されているからです。

授業では公式を覚え、それを応用して答えを解いていきます。

運動では上手く動かすやり方を教わり、その数を増やしていくことでスキルアップをしていくというのが基本的な考え方です。

画像: コーチは、コーチングとティーチングどちらも理解し使いこなせなくてはいけないと青木はいう(写真は2019年の LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

コーチは、コーチングとティーチングどちらも理解し使いこなせなくてはいけないと青木はいう(写真は2019年の LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

最近では学校などでも、コーチングのようにやり方や答えは教えずに、「考えること」に重点を置いた授業なども増えてきているといいます。

そんな時勢を見ると「ティーチングは古い考えで、これからはコーチングだ!」となりがちですが、そうではありませんし、両者は対立する考え方というわけでもありません。

選手の成長のためにコーチは、どちらも理解し使いこなせなくてはいけないと思っています。

「コーチング→〇 ティーチング→×」ではない

例えばやり方や答えを直接教えないコーチングでも、技術的な知識は持っておかなければなりません。

教えはしないけれども、コーチは常に答えを知っておくのです。そして必要なタイミングで、答えを導くためのヒントを選手に渡していきます。

同じようにティーチングだけでは、選手は成長できません。答えを教え続ければ一定程度まで技術レベルは上がりますが、考える力が身につきにくいため、スランプやフィジカル面の変化など、初めて直面する類の問題に対応することができないのです。

これまでのゴルフ指導は、圧倒的にティーチングが主流でした。正しい動きになるように、形ややり方を教えるというレッスンです。

ティーチングによる指導は、「どんなショットにも共通する基礎的な動き」との相性は抜群です。選手自ら考えるまでもなく、普遍的な動きは答えをズバリ教えてもよいでしょう。

大事なのは、コーチングとティーチングを、選手の成長段階に合わせて使い分けていくことです。

「打ち方は教えない。」(ゴルフダイジェスト社)より

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