ダスティン・ジョンソンのSIMは“低いフェードボール”仕様
PGAツアー屈指の飛ばし屋、ダスティン・ジョンソンはSIMドライバーの使い手だが、彼もカチャカチャをフルに活用している。
「10.5度のロフトを9.75度に。フェースの向きは1.5度オープンに。さらにソールのウェートを目一杯トウ寄りにして重心距離を長く設定、絶対に左に行かせない“強弾道フェード”が打ちやすい仕様にしています」と言うのは、スウィングとギアに精通するノリー堀口コーチ。
SIMを例にとれば、以下のように可変領域は広い。
ポジション | ロフト | ライ角 | フェース向き |
STD | 10.5度 | 56度 | スクェア |
UPRT | 10.5度 | 60度 | スクェア |
HIGHER | 8.5度 | 58度 | 4度クローズ |
LOWER | 12.5度 | 58度 | 4度オープン |
「最近のカチャカチャは、以前の調整機能よりより味付けが濃くなっています。つかまらない印象のSIMですが、実は“STD(スタンダード)”ポジションがもっともライ角がフラット。調整して弾道がどう変わるか楽しみです」(クラブフィッター・小倉勇人)
SIMの“裏挿し”メッチャつかまる!
SIMドライバーの代表的な4つのポジションで、小倉氏が打ち比べたデータが以下だ。
ポジション | 初速 | 打ち出し角 | バックスピン | サイドスピン | キャリー |
STD | 60.8m/s | 15度 | 2785rpm | 右134rpm | 240.0Y |
UPRT | 61.8m/s | 15度 | 2533rpm | 左60rpm | 251.7Y |
HIGHER | 60.3m/s | 16度 | 3242rpm | 左610rpm | 234.6Y |
LOWER | 61.5m/s | 14度 | 2411rpm | 右238rpm | 249.1Y |
小倉氏が驚いたのはシャフトを真裏側に挿した「UPRT(アップライト)」ポジションにしたときつかまりの変化。わずかにフェード回転していたSTDに比べ、UPRTではドロー回転に。バックスピン量が減り、ボール初速も1m/s上がった。その結果、キャリーが10ヤード以上も伸びたのだ。
「もともと高打ち出し&低スピンのヘッドで、飛びのポテンシャルは高い。そこへきてライ角をアップライトにすると、ヘッドがターンしやすくなるし、フェースのトウ側上目でつかまえて飛距離を出せる弾道になります。SIMでボールがつかまらない人は、ぜひUPRTを試してほしいですね」(クラブフィッター・小倉勇人)
ハードヒッターのノリー堀口コーチも、「UPRTは見た目からしてかなりアップライトに感じるし、打ってみると右にそれる球は出ませんでした。スライサーでもつかまるはずです」とその効果を実感。
ポジション | 初速 | 打ち出し角 | バックスピン | 打ち出し方向 | キャリー |
STD | 66.7m/s | 16.1度 | 2478rpm | 右0.1度 | 256Y |
UPRT | 66.9m/s | 15.7度 | 2043rpm | 左3.1度 | 255Y |
HIGHER | 65.4m/s | 16.8度 | 2709rpm | 左3.4度 | 251Y |
LOWER | 67.2m/s | 14.9度 | 2236rpm | 右1.2度 | 260Y |
実際、UPRTでは打ち出し方向が左に変化し、つかまっていることを示している。しかし、飛距離データ的には「LOWER」ポジションがもっとも良い結果となった。
「STDよりロフトが2度減、フェースは4度も開きますが、ライ角は2度プラスになります。ロフトが絶壁に見えるぐらい立ちますが、初速は間違いなく上がりますね。パワーに自信がある人は、試してみるとさらに飛ばせる可能性が高いです」(ノリー堀口コーチ)
今回、SIMドライバーの可変スリーブを調整して打った結果、弾道、飛距離ともに大きな変化が見られた。調整次第ではさらに飛ばすことができ、これまでしっくりきていないドライバーでも、調整次第では見違えるほど自分にぴったりの1本に仕上がる可能性も秘めていることがわかった。
月刊ゴルフダイジェスト6月号では、今回紹介したSIMのほか、MAVRIKシリーズ、ピンG410シリーズをはじめ、人気ドライバー10機種のカチャカチャによる変化を完全網羅。カチャカチャ系ドライバーユーザーは、ぜひ試してみてはいかがだろうか。
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