いくつになっても肉食夫婦。高齢者こそ、良質のタンパク質
わが家は2人とも大の肉好き「肉食夫婦」です。メニューには、ほぼ毎日、肉が並びます。鶏、豚、牛と冷蔵庫に保存してある食材をローテーションでメニューに加えますが、調理法は、基本的に塩は使わず、その他の調味料(酢、みそ、醤油など)で、甘味が必要なときは、砂糖ではなくハチ蜜を使うなどの工夫をしています。
先日、テレビで90代のピアニストの方の食事が紹介されていましたが、若いころのサーロイン中心のセレクトがヒレステーキにチェンジし、脂身は控えるようにこそなったものの、基本とする「肉中心で野菜も食べる」というスタンスは変えていないというお話でした。肉食の理由は、野菜ばかりの食事では長時間演奏するときにスタミナ切れになるのか、肉を食べたときに比べて力が出ない気がするからだそうです。
これはわが家の考え方にも共通するものがあります。一般に「高齢者になったら肉はあまり食べないほうがいい」と考えている方が少なくありません。しかし、健康な生活を送ろうと思ったら、適度な油分を摂ることも大切だと思います。
若いときに比べて代謝が低くなってはいますから、脂質異常には注意が必要ですが、網焼きや湯せんなど脂を落とす調理法を心がけながら、もりもり食べ、肉や魚の良質なタンパク質を摂取します。
タンパク質は筋肉をつくるのに欠かすことのできない栄養素です。筋力が低下する私たち高齢者こそ、魚や肉から良質のタンパク質を摂り、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく補給することが大切でしょう。
そうして筋肉に栄養を届けたら、ラウンドで筋力を鍛える。摂取した食べ物は、運動するためのエネルギーに換え、使い切ればいいと考えています。ケンゾーさんは大好きな肉から筋肉維持のための栄養をしっかりと摂り、翌日のラウンドで筋力を鍛えながら摂取したエネルギーを使い切りますから、肉食でも肥満とは無縁です。
わが家では「家では栄養重視。おいしい食事はプロの作ったものを外食で」というルールがありますから、外で食事するときは徹底的に味重視。互いの誕生日、結婚記念日、クリスマス、お正月は外食か家に届けてもらうかの差こそあれ、プロが作ったおいしい食事を食べると決めています。
記念日が近づくと「何を食べようか?」と相談を始めますが、そこは「肉食夫婦」ですから、結局「肉を食べよう!」となります。実は、ケンゾーさんが90歳をとっくに過ぎた最近でも、焼肉屋さんでいろいろ珍しい部位を紹介されて、コースではなくアラカルトの注文に、ちょっとはまっているところなんですよ。
「エージシュート記録1472回(更新中)植杉家の暮らしかた」(ゴルフダイジェスト社)より。語り手:植杉千枝子氏