背筋は体の大黒柱。健康長寿も飛距離アップも
ケンゾーさんは、剣道の経験があることも幸いして、もともと姿勢がよいほうです。ゴルフのスウィングをするときにも、よい姿勢でいればフォームもよくなり、球も遠くに飛びスコアアップにつながる。そう考えてラウンド中は、自分でも意識的に姿勢を正しているようです。
そもそも「正しい姿勢」とはどのようなものでしょうか。医学的な正しい姿勢の条件は、後ろから見たら立ち姿が左右対称になっており、横から見たら、首が前方、肩甲骨あたりが後方、腰が前方にそれぞれ湾曲してS字にカーブしていること。それが理想だと言われています。
正しい姿勢で生活することで、年齢よりも若く、実際より背が高く見えますし、さっそうとして健康的な印象になります。
姿勢で精神面も変わってきます。背中を丸めたままだと、なんとなく暗い気持ちで物事を悪く考えがちですが、シャキッと背筋を伸ばすと、明るく前向きな気持ちになれるものです。
ラウンド中、正しい姿勢を心がけているケンゾーさんですが、やはり後半になると、疲労や集中力の欠如からか、老人の姿勢になってしまうことがあります。そんなときはすかさず、私が「姿勢を正して!」と声をかけます。日常生活でもお互い気づいたほうがすぐに注意します。
常に姿勢を正しているためには、日常のちょっとした工夫や注意、さらに根気と努力も必要ですが、特別な運動をするわけでもなく、心がけ次第でだれでも実践可能なこと。姿勢を正しくすると、血液の循環がよくなり、代謝もよくなります。手足の冷えも防げるし、内臓の働きも活発になるはず。健康長寿と飛距離アップの一石二鳥を、ちょっと意識付けすることで実現できたらうれしいですね。
「エージシュート記録1472回(更新中)植杉家の暮らしかた」(ゴルフダイジェスト社)より。語り手:植杉千枝子氏