楽しいラウンドのためにも日頃から血圧はチェック
わが家の夫婦は、血圧が低め。ケンゾーさんの70歳ごろの血圧は上110、下60前後、私は上90~100、下50と、植杉家の血圧計が壊れているのかと思うほど、低い数値でしたが、病院で計測しても結果は同じ。わが家の血圧計の問題ではなかったようです。
私は若いころから、ときどき立ちくらみ、ふらつきなどが起こることがあったのですが「血圧が低すぎるせい」と思い当たりました。ケンゾーさんも加齢につれ、少しずつ数値は高くなりますが、元来、低めの体質なのです。
わが家は低血圧症状の予防対策として、日常生活では、急に立ち上がらない、寝ている状態から急に体を起こさない、長時間立ったまま同じ姿勢でいることはしないように心がけています。フラッときたら、すぐに頭を下げる(低くする)ことも大切ですし、起床時には上下肢を動かすなどして、起きるという事実をいったん体に認識させてから起き上がるようにもしています。枕は低めのもので、頭を低くし足を高くして休みますし、水分をこまめに摂取することで、血液がドロドロにならぬような予防も欠かしません。
高血圧に比べ、低血圧のほうが危険度は少ないとはいうものの、ラウンド時に気温が高くなると、血流の関係で血圧が急に下がってしまうこともあります。めまいやふらつきを感じたときは、脱水症状の可能性もありますから、軽く考えずに、ラウンドを中止してハウスに帰るか、木陰などで頭を低く足を高くして血流を戻す体勢で様子を見ます。
一方、加齢とともに血圧は上昇する傾向があるという事実を踏まえて、日常生活では食事の塩分制限を徹底しています。食材はそのものにうまみの強い新鮮素材を用いて、味付けはしっかり出汁、酸っぱさや辛さでアクセントをつけ、基本は薄味を徹底。塩分での味付けは最小限にして、香ばしさなどで工夫した薄味料理を楽しんでいるのです。
ちなみに、普段、血圧が高い傾向にあるゴルファーの注意したい点として、朝食と水分摂取、ストレッチなど準備運動、寒暖には衣類で対応し、飲み物も季節に応じて暖かいもの、冷たいものを飲み分ける。ラウンド中は急に走り出さない、スコアに一喜一憂せずストレスを感じたり興奮しない、ラウンド後も熱いお風呂は避けるなどが挙げられます。
日常生活において、高血圧にしても、低血圧にしても自分の普段の血圧の数値をつかんでおくことは大切です。自分の数値とそのときに現れる傾向など、体調をしっかりと把握し、異常を感じたときには早めに対処する自己管理。それを徹底すれば、いつまでも健康で楽しく毎日が送れますし、楽しいラウンドも続けられると思います。
「エージシュート記録1472回(更新中)植杉家の暮らしかた」(ゴルフダイジェスト社)より。語り手:植杉千枝子氏