96歳に至る今日までに、エージシュート1472回の大記録を達成した鉄人ゴルファー・植杉乾蔵氏と、その妻で乾蔵氏を「ケンゾーさん」と呼ぶ千枝子氏。夫婦で末永くゴルフを楽しむために実践してきた健康長寿の秘訣を、2人の著書「エージシュート記録1472回(更新中)植杉家の暮らしかた」よりご紹介。
大型デパートの中で動いて「ちゃっかりトレーニング」
高齢者になるほど、筋力や頭は使わなければ衰えやすく、いったん衰えた筋力や「脳力」を元に戻すことは大変です。ラウンドできないときは、何かしら運動をして、次のゴルフに備えた筋力トレーニングを日常生活に取り入れたいところです。
わが家では、買い物に行ったときの階段の上り下りで筋力トレーニングを行うような「ちゃっかりトレーニング」を実践しています。
熊本のデパートや大型スーパーが舞台です。まず店内を広く見て回ることがウォーキングの代わりになります。さらにエレベーターやエスカレーターは使わずに階段の上り下りで脚力を鍛えています。店内ですから空調が利いているので暑い夏でも熱中症などの心配はありません。直射日光を受けることもなく、いろいろな売り場を回っていると、けっこう歩くものです。
買い物と侮ることなかれ、です。飲み物を摂ったりして休憩しながらですと、買い物を楽しみながら、けっこうな体力作りができるというわけで、高齢者には効果があると感じています。
そういえば、あるとき一緒にいたはずのケンゾーさんが見当たりません。あわてて周囲を捜すと、家具売り場のソファに金髪の見慣れぬマネキンが座っています。なぜかこちらに向かって手を振るではないですか。近寄ってみると、なんと金髪のかつらを被ったケンゾーさんです。隣に立っているマネキンは、かわいそうに丸坊主。
「退屈だったからさぁ」と笑うケンゾーさん。懸命に捜す私の姿も面白かったとか。こんな遊び心を持っているから、ボケ知らずなのかもしれませんね。
「エージシュート記録1472回(更新中)植杉家の暮らしかた」(ゴルフダイジェスト社)より。語り手:植杉千枝子氏