秋のゴルフベストシーズンに向けて、各メーカーがニュークラブの発表している。なかでもアイアンは大豊作。すでに発表されているモデルの中からヤマハ「インプレスUD+2」、ブリヂストン「ツアーB」シリーズ3モデル、テーラーメイド「SIMグローレ」、ミズノ「JPX921」シリーズ3モデルの性能をおさらいした。

ぶっ飛びアイアンの人気モデル、ヤマハ「インプレスUD+2」がさらに進化

各メーカーの新作ラッシュが続く2020年秋。ドライバーはもちろん、アイアンも数多くのモデルが発表・発売されている。

まずはヤマハ「インプレスUD+2」。プラス2番手の飛びを実現するという触れ込みでいわゆる飛び系アイアンの人気に火をつけたシリーズの2021年モデルが発表となった。

画像: ヤマハ「インプレスUD+2」

ヤマハ「インプレスUD+2」

最新モデルでは飛距離性能に加えて高初速・高打ち出しを実現するため、ニューテクノロジー「スピードリブフェース」を搭載。超薄肉設計によってフェースとソールの両方をたわませてフェース下部のたわみを最大化。

さらにフェース裏側に5本のリブを配置することで、たわみの総量を維持しつつ縦方向のたわみを抑制。これにより打ち出し角が確保され、高弾道かつ超まっすぐなボールが打てるのだという。

2018年に発売された前作のロフト角は7番で26度だったが、最新モデルでは25度とさらにストロング設計だ。発売日は10月16日となっている。

ブリヂストン「ツアーB」のニューアイアンは3モデルラインナップ

ブリヂストンのツアーBシリーズの最新アイアンはマッスルバックの「ツアーB 200MB」、本格派キャビティの「ツアーB 201CB」、ポケットキャビティの「ツアーB 202CBP」の全3モデルをラインナップ。

ツアーB 201CBの特徴はキャビティの形状が番手ごとに微妙に異なる点だろう。キャビティの深さがロング番手ほど深く、ショート番手ほど浅くなっており、キャビティのブレード側の肉厚もロング番手ほど凹、ショート番手ほど凸形状となっている。

画像: ブリヂストン「ツアーB 201CB」

ブリヂストン「ツアーB 201CB」

これによって番手ごとに重心位置をコントロールし、ロング番手は安定性や寛容性、ショート番手では操作性とキレを重視した設計となっているようだ。また、4、5番のロング番手に関してはキャビティの一部にスリットを入れることでさらにボールを上げやすく、許容性の高い仕上がりとなっている。ロフト角は7番で31.5度だ。

ブリヂストンのアイアンで「201」といえば往年の名器、ツアーステージ TS201。プロが使えるキャビティアイアンの名器の面影を残す、シャープながら絶妙なやさしさを感じさせるアイアンに仕上がっている。

ツアーB 202CBPでは、「360°スリットポケットキャビティ」という構造を採用。フェース外周を囲うようにスリットが入っており、これによってミスへの許容性や反発性能が向上している。

画像: ブリヂストン「ツアーB 202CBP」

ブリヂストン「ツアーB 202CBP」

また、バックフェース側にトウ側の剛性を高める「パワースタビライザー」という機構を搭載することで、余計な振動を抑えて打感を向上。こちらも番手別設計が採用されていて、パワースタビライザーの配置を調整することで許容性と操作性を最適化しているという。ロフト角は7番で30度だ。

ツアーB 200MBは、アスリート向けの洗練されたマッスルバックアイアン。重心位置を番手ごとに調整することで、全番手の振り感が統一されるよう設計。また、ソール幅やバウンスも部分ごとに最適化を施し、さらなる抜けの良さやキレを追求している。ロフト角は7番で33度となっている。発売日は3モデルとも9月18日だ。

画像: ブリヂストン「ツアーB 200MB」

ブリヂストン「ツアーB 200MB」

飛び系アイアンの弱点を補ったテーラーメイド「SIMグローレ」

テーラメイドが日本市場向けに送り出すグローレシリーズの最新アイアン「SIMグローレ」は、7番でロフト角27度とストロング設計。

画像: テーラメイド「SIMグローレ」

テーラメイド「SIMグローレ」

軽量化・低重心化を追求した設計で、生まれた余剰重量を49グラムのタングステンウェートとして、ヘッド内部の地面に一番近づく部分に配置。シャローヘッド形状を採用し、徹底した低重心化を図った結果、弾道が低い、グリーンで止まらないといった飛び系アイアンの弱点を補っているという。

フェース裏面のトウ・ヒール両サイドには、ソールとトップラインをつなぐ「スピードブリッジHT」を採用することでエネルギー伝達効率が向上しスイートエリアも拡大と、よりやさしく飛ばせる工夫もなされている。

見た目に関しても、トップラインを従来モデルより細くフラットにすることで構えやすく、抜けが良くなるようワイドソールを採用しているという。発売日は10月9日だ。

また、テーラーメイドはSIMグローレのほかにもPシリーズのニューモデル「P770」、「P7MC」、「P7MB」を9月11日より発売している。こちらも要注目だ。

画像: テーラーメイド「P770」(左)、「P7MC」(中)、「P7MB」(右)

テーラーメイド「P770」(左)、「P7MC」(中)、「P7MB」(右)

初のフルボディ“クロモリ鍛造”アイアンも。ミズノ「JPX921」シリーズ

ミズノはJPXシリーズの最新昨「JPX921」を発表。グローバルモデルとして展開していた現行の「JPX919」シリーズの後継にあたるモデルで、日本では「JPX921フォージド」、「JPX921ホットメタル」、「JPX921ホットメタルプロ」、「JPX921ツアー」の4モデルをラインナップ。いずれもやさしさを持つキャビティ形状だが、それぞれ異なる性能を有している。

ミズノのアイアンと言えば軟鉄鍛造のイメージがあるが、JPX921フォージドは高強度素材のクロモリ鋼をフルボディ採用した“クロモリ鍛造”アイアン(4~7番)。

画像: ミズノ「JPX921フォージド」

ミズノ「JPX921フォージド」

クロモリの高反発性能に加え、キャビティ部をソール側から掘削する「マイクロスロット構造」によってさらにフェースを薄肉化。結果、前作JPX919フォージドと比べてフェース厚が0.5ミリ薄くなり、高反発で飛ばせるエリアも45%拡大しているとのこと。

打音に関するこだわりもミズノならでは。トップエッジの剛性を高めることで心地良い打感を実現し、フェースネック一体構造にすることで打音がより長く響くようになっているという。ロフトは7番で31度だ。

JPX921ホットメタルはさらなる高反発性能を目指したアイアン。溶接部を持たないシームレスカップフェース構造を採用しており、フェース部にはクロモリ鋼を使用。ソール部に肉厚・肉薄の部分を作ることで高初速エリアを拡大しているという。ロフトは7番で29度となっている。

画像: ミズノ「JPX921ホットメタル」

ミズノ「JPX921ホットメタル」

JPX921ホットメタルプロは、ホットメタルからオフセットが少なくよりコンパクトな見た目になっていたモデル。性能自体はホットメタルと共通で、ロフト角も7番で29度と同様だ。

画像: ミズノ「JPX921ホットメタルプロ」

ミズノ「JPX921ホットメタルプロ」

そしてJPX921ツアーは、“ツアー”の名がつく通りアスリート向けのモデル。PGAツアーで実施したテストのフィードバックを受け、前作JPX919ツアーよりも重心距離を短く設定。全番手のスイートスポットの高さも低くすることでボールが上がりやすくなっているという。

画像: ミズノ「JPX921ツアー」

ミズノ「JPX921ツアー」

また、ソール形状も長い番手ではソール幅を広くしボールを上げやすく、短い番手では狭くすることで抜けが良くなるよう工夫がなされている。ロフト角は7番で34度。JPX921フォージド、ホットメタル、ツアーは10月9日発売、ホットメタルプロに関しては12月発売予定となっている。

上記モデルのほかにも、各メーカーが秋のベストシーズンに向けてニューアイアンを打ち出している。2020年秋は、アイアンの選択肢が多すぎて嬉しい悲鳴が上がりそうだ。

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