飛び系アイアンというジャンルを作ったアイアンの最新モデル
インプレスと言えば、2000年代にヤマハのアスリート向けブランドとして一時代を築いたブランド。そのインプレスブランドは現在エンジョイゴルファーの救世主として君臨している。
2014年に発売された初代「インプレス RMX UD+2」アイアンは大ヒットを記録し、飛距離の出るアイアンは売れる! と他メーカーも次々と追従。「飛び系アイアン」というジャンルが生まれるきっかけを作ったと言っても過言ではない。
2020年のモデルチェンジでアイアンは4代目、ドライバーは3代目に突入したインプレス UD+2。その飛距離の秘密はアイアン、ドライバーともに「多くのアベレージゴルファーに共通する悩みである、スライスを抑制してくれるから」だとクラブフィッター・小倉勇人氏は分析する。
「インパクトで目標方向よりフェースが開いたり、ボールを擦るようなスウィング軌道、いわゆるアウトサイドインでボールを打つことによりスライスが起こります。スライスによるエネルギーロスを抑えるべく、つかまり性能を高めたクラブに仕上げたのがUD+2シリーズと言えるでしょうね」(小倉氏、以下同)
スライスを抑制するだけでも飛距離は伸びるが、さらにヘッドスピードを高めるためにクラブを長く設定し、低重心かつ深い重心を持ったミスに強いヘッドを組み合わせ、アイアンに関してはロフトが立った設定になっている。
「スライスを抑制し、安定した弾道で、かつ飛距離も出せる。アベレージゴルファーのニーズに対して、高い次元でバランスをとることに成功していますね」
インプレス UD+2アイアンの性能については「基本として飛距離とつかまりの良さにこだわったモデルというのは初代から変わっていません」と小倉氏。
「初代からの特徴である飛距離とつかまりの良さを進化させつつも、プラスαとして直進性の高さに磨きがかかっていますね。他メーカーで言うと、ダンロップのゼクシオクロスアイアン、プロギアのEggアイアン辺りが近しい性能を持っているでしょうか。つかまり性能が高さもあって、試打でも右への打ち出しは1球もなく、真っすぐ飛んでいましたね」
試打で使用した7番アイアンはロフト角25度とかなりストロング設計になっているが「高さに関してもしっかり出ています」と小倉氏。
「試打ではレンジボールを使用しましたが、写真Aの赤丸の辺りまで高さがしっかり出ています。コースボールを使うラウンドではもっと高さが出るでしょうね」
ドライバーに関しても、アイアンと同じくスライスが出ない性能を重視していると小倉氏は言う。
「ドライバーはヘッドの慣性モーメントが高く、サイドスピンがかかりづらい性能で、かつ重心角を大きめに設定しています。これにより打点のブレに強いやさしさと直進性、そしてつかまり性能を高めて、飛距離ロスと右へのミスを軽減させていますね。他メーカーで言うと、オノフのRD5900、ピンのG425SFTあたりと近いコンセプトと言えるでしょう」
試打では、わざと振り遅れて逃がすように打ってみた小倉氏だが「それでも打ち出し方向は目標方向からやや左側辺り。しっかりつかまえてきます」という。
「目一杯カットに打って、ようやくセンターからやや左に打ち出し、センターへ戻ってくる“良いフェード”。それくらい、すごくつかまります。とにかくヘッドが返りやすくなっていて、そこさえコントロールできれば狙ったところに真っすぐの強い球が打てるクラブになっていますね」
ドライバー、アイアンともにスライスを徹底的に抑制しつつ強い球で真っすぐ飛ばすことを重視したインプレス UD+2シリーズ。小倉氏は「ショットの爽快感を求める方にはすごくオススメです」という。
「ドライバーとアイアン、共通して飛距離と直進性の高さがインプレス UD+2の強みと言えるでしょう。1発1発の爽快感や飛距離にこだわる方にはピッタリのシリーズだと思います。特にアイアンはさすがぶっ飛びアイアンの元祖といった仕上がりですよ。ぜひ試打してみてください」
取材協力/ユニオンゴルフクラブ