PGAツアー通算12勝を重ね、マスターズも2度制したレフティプレーヤー、バッバ・ワトソンが、ここ数年の間不安障害に苦しんでいたことを海外メディアを通じて明かした。

「(もっとも症状が深刻だった2年前は)頭のなかでたくさんの騒音が鳴り響いて、『私は死ぬだろう』と思っていました。大変な時期でした」(バッバ・ワトソン)

不安障害とは精神疾患の一種。症状は様々だが、要約すると物事に対し行き過ぎた不安や恐怖を感じるようになってしまう症状のことだ。バッバはここ数年にわたり、試合会場へ向かうためのフライトや人混みの多い場所、自身に浴びせられる注目、今年に入ってからは新型コロナウィルスの流行に対しても、深刻な不安感・恐怖感を抱いていたことを、米メディア「Golf week」のインタビューで明かした。

画像: 自身が苛まれた不安障害について、海外メディアを通じて語ったバッバ・ワトソン(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

自身が苛まれた不安障害について、海外メディアを通じて語ったバッバ・ワトソン(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

不安に苛まれ続け夜も眠れず、長いガン闘病生活の末2010年に亡くなった父のことをしばしば思い出していたというワトソン。ここ数年で「心臓発作によって人生が終わるのでは」という不安で病院へ運ばれたことは3度。ツアープロを辞めようと思ったこともあったという。

約1年半前には平常時から体重が13~15キロも激減。これも、ワトソンを襲った恐怖や不安感により、食事さえほぼ不可能になっていたためだという。医師にも通い相談を続けたが、とくに異常はないと診断され、それがさらにストレスを加速させていたそうだ。

そんな苦しみの淵にいたワトソンだが、最近は復調に向かいつつある。専門のコーチに呼吸法を習い、精神と心拍数を落ち着かせるための練習を行っているそう。また、CBD(カンナビジオールの略。麻に含まれる成分の一種)オイルの摂取によって、眠れない夜も減った。全米オープンを31位タイで終えたあとは、CJカップ7位タイ、ZOZOチャンピオンシップ4位タイと復調している。

ワトソン本人も「今後も(心の)バランスを保つように努めなければなりません。私は今、史上最高の状態にあります」と自信を見せた。

2018年以来のトラベラーズ選手権以来、約2年以上優勝から遠ざかっているワトソン。自身を襲う不安に対処し、自身3度目のマスターズ制覇によってさらなる自信をつけることができるか。今年のオーガスタはワトソンにも注目だ。

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