いよいよ2021年が幕を開けた。今年、4大メジャーを制してゴルフ界の主役になるのは誰か? その大本命である世界トップ5の選手たちのスウィングを5日連続で紹介。第一回は、世界ランク1位のダスティン・ジョンソンだ。(解説/石井忍)

マスターズを制し、世界ランク1位でオフを迎えたダスティン・ジョンソン。年が明け、3カ月後には早くもマスターズが控え、連覇に期待がかかる。

そんな“DJ”のスウィングの特徴といえば、フックグリップとシャットフェースだ。

「ダスティンといえばストロンググリップ。左手の甲が前腕、二の腕と一直線になるほど手のひら側に折れた状態でインパクトを迎えます。手のひら側に折ることで、フェースはシャット(閉じた状態)になります。そのまま体の正面でインパクトをすると、ボールは左に飛んでしまう。それを防ぐところに、彼のスウィングの特徴はあります」(石井忍/以下同)

画像: ダスティン・ジョンソンの特徴はフックグリップ(写真左)と左手の平側に折るシャットフェース(写真右)(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

ダスティン・ジョンソンの特徴はフックグリップ(写真左)と左手の平側に折るシャットフェース(写真右)(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

石井によれば、その特徴とは“レートヒッティング“という技術だ。

「体の正面でとらえると左に飛んでしまうので、骨盤や胸郭を開いた状態、よくいう体が開いた状態で、当たりを遅くしているんです。レートヒットさせることでフェースをストレートにし、左手の甲をターゲット方向に押し込んでいくイメージで振っています。そのため、インパクトゾーンが非常に長い。フックグリップのレートヒッターというのがDJの大きな特徴です」

DJの場合、地面と腕が平行となるポジションで左手はすでに手のひら側に折られている。つまり、フェースはすでに閉じている。そのため、「あとは体を回すだけ回している」と石井。そのことにより、スピードも出せるし、正確性も担保されるというわけだ。

画像: インパクトゾーンが非常に長いのがDJの特徴(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

インパクトゾーンが非常に長いのがDJの特徴(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

「DJは2度ほど見ていますが、印象はアイアンショットが凄くしなやかということ。パワーとか左手の甲のカタチとかに目がいきがちだけど、アイアンの下の番手、7番アイアンより下のクラブが極めてしなやかで、腕を鞭のように使って凄く柔らかい。そういうのも彼の成績を支えている大きな要因なんじゃないかなと思います」

ドローが有利といわれるマスターズを、自分の持ち球であるフェードに磨きをかけて制したDJ。3カ月後に迫ったマスターズでは、ふたたびその飛距離と正確性、そして石井が絶賛するしなやかなショートアイアンの技術で、二枚目のグリーンジャケットを手にすることができるか、注目だ。

画像: 飛ばないゴルフ女子の飛距離がドラコンプロのレッスンで160→180ヤードに!? 一体なにを教わった?【押尾紗樹】 youtu.be

飛ばないゴルフ女子の飛距離がドラコンプロのレッスンで160→180ヤードに!? 一体なにを教わった?【押尾紗樹】

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