すでに84名がオーガスタへの切符を獲得
まだ始まったばかりの2021年だが、資格を持つ一握りのプロたちのもとには早くもマスターズへの招待状が届きはじめたようだ。
毎年マスターズ出場資格を得た選手には委員会から招待状が送られるのが通例となっている。今年はPGAツアー6勝のジミー・ウォーカーが、年明け早々に届いた招待状を自身のSNSにアップ。
書面にはマスターズへの参加を歓迎する旨に、「R.S.V.P.」(repondez s'il vous plait=フランス語で『お返事を下さい』の略語)と文末に添えられている。もちろんよほどのことがない限り、この招待状を受け取って出場を辞退するような選手はいないだろう。
ではそもそもの話、マスターズへ招待される条件とはどういったものなのか。手っ取り早いのは試合で優勝を挙げること。2021年大会に関しては「当初予定されていた2020年マスターズ開催日である4月9~12日の翌週から2021年マスターズ前週までにPGAツアーイベントで優勝すること」で出場資格が得られる。
さらに、ビッグタイトルで優勝すれば複数年にわたって招待条件を満たすことができる。たとえばマスターズ以外のメジャー「全米オープン」、「全英オープン」、「全米プロゴルフ選手権」を制した者には翌年以降5年間、「ザ・プレーヤーズ選手権」優勝者には3年間の招待枠が与えられる。
前述のウォーカーがこの例に当てはまり、2016年の「全米プロゴルフ選手権」を制したことで以降5年間、つまり2021年大会までのマスターズ出場権が保証されているわけだ。
そしてマスターズ歴代優勝者には生涯の招待枠が付与される。つまりタイガー・ウッズやフィル・ミケルソン、昨年のマスターズを制したダスティン・ジョンソンらは今後行われるマスターズに無条件で出場することができる。
以上のように基本的には優勝がもっとも近道なわけだが、それ以外の手段もある。まずメジャーに関してはマスターズ以外の3大会は4位以内、マスターズでは12位以内でフィニッシュできれば、翌年のマスターズ出場権を獲得できる。
また、PGAツアーの試合で順位に応じて得られるフェデックスカップポイントを積み重ねることで出場が叶うシーズン最終戦「ツアー選手権」に出場を果たした30名の選手にも翌年のマスターズ出場権が与えられる。日本の松山英樹はこの条件を満たし、すでに2021年マスターズ出場の権利を得ている。
そして、前年の最終週とマスターズ前週、2つのタイミングで発表された世界ゴルフランク上位50位以内の選手にもそれぞれ出場権が与えられる。
前者については昨年の12月27日付けの世界ゴルフランクを参照し、すでに枠が確定。マット・ウォレス(世界ランク50位)やイアン・ポールター(48位)、トミー・フリートウッド(17位)ら10名の選手がマスターズへの招待枠を獲得している。
上記の条件を満たした選手にアマチュア選手も加え、現時点で合計84名がオーガスタへの切符を掴んでいる。
もちろん現時点で出場権を得られていない選手たちにもまだチャンスは残されている。前述の通り、2021年マスターズまでの試合で優勝、あるいは好成績を維持し、マスターズ前週に世界ランク50位以内に入れば自力で出場枠を得ることができる。
マスターズ開幕まではあと3か月。ファンにとっては昨年11月から間を空けずにオーガスタでの戦いを見られる異例のシーズンだが、未だ出場資格を有していない選手たちにとっては、短い期間で結果を出さなければいけない日々が年明けからすでに始まっているというわけだ。