"飛距離アップ請負人"の異名を持つYouTubeでも大人気のプロゴルファー・吉田一尊。自身が提唱する飛ばしの理論「HRスウィング」から、「ヘッドスピードを上げる」について詳しく説明してもらった。

ゴルフのクラブは“振る”ものではなく“揺らす”もの

上下(タテ)の動きによる地面反力を利用して体の回転スピードを上げ、効率よくヘッドスピードをアップさせる動きは、飛躍的な飛距離アップを実現し、昨年のUSオープンを制覇するなど、いまPGAツアーで大ブレイク中のブライソン・デシャンボー選手も積極的に取り入れています。

画像: ハーフウェイダウンからフォローにかけてのデシャンボーのスウィング。(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

ハーフウェイダウンからフォローにかけてのデシャンボーのスウィング。(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

今回は、瞬間的に地面を蹴って跳ね返る地面反力の動きにプラスして、さらにヘッドスピードをアップさせる方法を紹介しましょう。

具体的に何をプラスするかというと、それは“筋肉の引っ張り合い”です。

人間の筋肉というのはバネやゴムと同じように、引き伸ばされると元の状態に戻ろうとして反射的に縮もうとする性質を持っています。それを利用することでクラブを振るスピードをアップさせることができるのです。

具体的にスウィングの動きで説明すると、テークバックからバックスウィングでは、右足を踏み込んだ反動でクラブが上がっていきますが、トップまで上がりきってクラブが落下し始める直前に、体重を上から下にストンと落とすように左足を踏み込むんです。

上半身がまだトップに向かって動いている最中に、下半身はダウンスウィングに向かって動き出すことで、上下の方向に筋肉の引っ張り合いが起きます。とくに、上半身の筋肉でもっとも強い左の広背筋と、右の大胸筋が伸縮します。

この2つの強い筋肉が極限まで引き伸ばされ、瞬間的に縮もうとすることで、意識して腕の力でクラブを振り下ろそうとしなくても、勝手に腕は戻ってきます。地面反力による体の回転スピードと筋肉の瞬間的な伸縮が組み合わさることで、ヘッドスピードを飛躍的にアップさせることができるのです。

画像: トップ直前のスウィング。左足を踏み込み始めることで下半身は下方向に動き、上半身と上下の方向で引っ張り合いが起こる

トップ直前のスウィング。左足を踏み込み始めることで下半身は下方向に動き、上半身と上下の方向で引っ張り合いが起こる

この筋肉の引っ張り合いでスピードを上げる感覚は、公園などにあるブランコを漕ぐ動きをイメージすると分かりやすいんです。ブランコで立ち漕ぎをするときも、上がりきって落下し始めてからではなく、上がりきる直前に足で漕ぎますよね。ゴルフのスウィングもそれと同じなんです。

英語の“スウィング”という言葉には“揺れる”や“揺らす”という意味もあります。実はブランコという名称は日本語で、英語では“スウィング”というんです。

つまり、ゴルフのクラブは“振る”ものではなく、“スウィング”するもの、“揺らす”ものという解釈もできるんです。“振る”から“揺らす”に考え方を変換し、ブランコを漕ぐようなイメージでスウィングできれば、効率よくヘッドスピードがアップし、スウィングの質も高まります。

練習法としては、体の正面でブランコのように左右にクラブを揺らして素振りをし、トップに上がりきる直前に下半身で切り返して軽くボールを打つといいでしょう。大事なのは切り返しのタイミングをつかむことなので、振り幅はハーフスウィングぐらいで構いませんし、ボールの行方を気にする必要もありません。

撮影協力/LETSGOLF銀座

画像: デシャンボーみたいに飛ばす youtu.be

デシャンボーみたいに飛ばす

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