ロリー・マキロイのクラブセッティングはニューモデルの登場によって毎年変化を遂げてきたが、その中でも長年愛用してきたのがアイアンシャフト、トゥルーテンパーの「プロジェクトX ライフル」だ。
元調子のパワーヒッター向けのスチールシャフトで、マキロイが使用していたのはもっともハードな「7.0」。フレックスXXは相当で重量も130グラム(カット前)とかなり重めなこのシャフトを、マキロイはプロ入りした2007年以降ほとんど固定で使用してきた。
2021年も「ウェイストマネジメントフェニックスオープン」まではプロジェクトXシャフトを引き続き使用していたマキロイだが、次戦の「ジェネシス招待」からなんとトゥルーテンパーの「ダイナミックゴールドX7」にシャフトをチェンジしていたのだ。
ダイナミックゴールドX7はラインナップが豊富な同シリーズの中でも超ハードスペックな仕様のモデル。フレックスは「X7(実質XX以上)」となっており、重量も133グラム(カット前)。キックポイントは元調子に設定されている。
マキロイがシャフトを替える決め手となったのはどのような点なのだろうか。海外メディアの報道によれば、それは“ボールとの相性”が決めてだったようだ。プロゴルファー・中村修はこう解説する。
「テーラーメイドのツアーボールと言えば『TP5/TP5x』シリーズ。マキロイは昨年まではTP5を使用していたのですが、2021年モデルではTP5xを選択しているんですよね。過去モデルの特徴がそのまま当てはまるならTP5xって弾道がすごく高くて、アイアンでも比較的スピン量が少なめで飛ぶタイプ。すると今まで使ってきたプロジェクトXだと自分の弾道イメージと合わなくなってしまった可能性があります」(中村)
中村によればダイナミックゴールドX7はプロジェクトXに比べ「より弾道の高さを抑えられるシャフト」だという。マキロイの新しい組み合わせは、上がりやすいボールと抑えの効くシャフトの組み合わせ、というわけだ。
ニューシャフトのデビュー戦であるジェネシス招待では予選落ちを喫したマキロイだが、続く「WGCワークデイ選手権」では6位フィニッシュと結果を出した。ニューボール、そしてニューシャフトの選択は功を奏するのか。今後のマキロイの活躍にも期待だ。