現在開催中の国内女子ツアー「ダイキンオーキッドレディス」の初日が終了し、単独首位に立ったのはトータル8アンダーの西郷真央。2021年初戦でロケットスタートを切った西郷のスウィングを、プロゴルファー・中村修が解説。

オフの間に10~20ヤード飛距離アップ

国内女子ツアー「ダイキンオーキッドレディス」の初日が終了しました。現在トップに立つのは7バーディ1イーグル1ボギー、トータル8アンダーで回った西郷真央選手です。

画像: 2021年国内女子ツアー初戦「ダイキンオーキッドレディス」初日を終え、単独首位に立つ西郷真央(写真/Getty Images)

2021年国内女子ツアー初戦「ダイキンオーキッドレディス」初日を終え、単独首位に立つ西郷真央(写真/Getty Images)

西郷選手は昨年2勝を挙げた笹生優花選手と同じ2001年度生まれの世代で、尾崎将司プロが主宰の「ジャンボ尾崎ジュニアアカデミー」一期生でもあります。原英莉花選手と同様に“ジャンボイズム”を受け継ぐ女子プロというわけですね。

そんな西郷選手ですがオフの間に飛距離アップを果たしたようで、ラウンド後の会見によると「(ドライバーで)平均10ヤード、芯に当たると20ヤード」ほど伸びているそうです。写真は昨年のものとなりますが、さっそくスウィングを見ていきましょう。

まずバックスウィングでは、クラブヘッドと手元を体の遠くへワイドに上げていきつつ、深い捻転を作っています(写真A)。

画像: 写真A:ワイドなバックスウィングを取りつつ(左)、トップでは上半身と下半身の深い捻転差が作られている(右)(写真は2020年のJLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 撮影/岡沢裕行)

写真A:ワイドなバックスウィングを取りつつ(左)、トップでは上半身と下半身の深い捻転差が作られている(右)(写真は2020年のJLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 撮影/岡沢裕行)

そしてダウンスウィングに関しても手元が体に近づき過ぎないように下ろしてきていますね(写真B)。そのことでバックスウィングでのタメが強くなったり上から入ってくるような動きが起きることがなく、ヘッドが描く円軌道が非常に緩やかになり、結果としてミート率と入射角が非常に安定しています。

画像: 写真B:ダウンスウィングでも手元が体に近づき過ぎないようにクラブを下ろすことで、ヘッドの軌道が緩やかになり、ミート率と入射角が安定している(写真は2020年のJLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 撮影/岡沢裕行)

写真B:ダウンスウィングでも手元が体に近づき過ぎないようにクラブを下ろすことで、ヘッドの軌道が緩やかになり、ミート率と入射角が安定している(写真は2020年のJLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 撮影/岡沢裕行)

もともと安定したスウィングの持ち主で、そこに平均10ヤードという大幅な飛距離アップが加わったことで、爆発力がさらに高まったのかもしれません。

また、飛距離アップの要因は、とくにスウィングの特定の部分を何か気を付けているわけではなく「しっかり振ることを意識」して練習に取り組んでいたそうです。そしてもちろんフィジカルトレーニングの成果もあると思います。

自分の飛距離を見つめ直すきっかけとなったのが、西郷選手が師事するジャンボさんの言葉だったそうです。昨年のリコーカップ終了後に「何が足りないのか、よく考えるんだ」と言われて、主に飛距離面とアプローチをオフの間に磨いてきたそうです。その成果が2021年初戦で見事に表れましたね。

とはいえまだ初日が終わったばかり。大会はあと3日続きます。初日の勢いそのままに西郷選手のツアー初優勝はなるか、2日目以降も要注目です。

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