自信を持ってゴルフをするために重要な要素となるのが「自己効力感」です。自己効力感とはカナダの心理学者アルバート・バンデューラによって提唱された概念で、人がある課題に対して行動や結果が必要とされる状況で「自分ならできる」「自分には達成する力がある」という感じることができる感覚のことです。
自己効力感を高めるためには「小さな成功体験」を自身で認識し積み重ねていくことが重要ですが、それ以外にも自己効力感を高めるテクニックはあります。それが「代理経験」と「言語的説得」です。今回はそれらについて具体的な例を挙げながら解説していきます。ぜひ、ご自身に置き換えながら読んで頂ければ幸いです。
まずは「代理経験」から解説していきます。これは自分以外の他のゴルファーが達成している経験から学ぶことで「自分もできる」という認識をしていくことを指します。
例えば、80台をここ2年ほど目指しているAさん(ベストスコア92)というゴルファーを想定してみましょう。ゴルフのレベルアップためにコーチをつけたり、道具にもある程度お金もかけ、練習も頑張っているけどなかなか80台が遠く、90台や100台を行ったり来たり……。「自分には難しいのかな。センスないのかな……」と自己効力感が下がっている状態です。
そんなときはこの代理経験が活かせます。具体的には、他のゴルファーが苦労して90台の壁を越えたエピソードを沢山集めるのです。今であればネット検索や動画でも「5年ほど80台を狙っても超えることができずに気持ちが折れかけたけど〇〇をきっかけに達成できた」というようなエピソードがあるはずです。もちろん、苦労して80台を達成した先輩ゴルファーにエピソードを聞くのも良いでしょう。
そして、それらのエピソードを聞けば、「みんな苦労して越えているんだ。みんなができるなら自分もできるかも。頑張ろう!」と自己効力感が高まってくるものです。これが代理経験です。
そして、自己効力感を高める2つ目のテクニックが「言語的説得」です。これは読んで字のごとくでAさんが80台を出せる理由や根拠を、他者から、もしくは自らで具体的に挙げていき、自身を説得するのです。
例えば、すでに80台を出している先輩ゴルファーとコースを一緒に回ったあと、先輩に意見を求めるとしましょう。その際に重要なのは自身の課題ばかりを聞かず、良い部分がどこかも確認することです。
具体的には「自分ではショットに関しては80台を出すゴルファーと遜色ないと思うのですが、どうですか?」などと、自身の良い部分についての言葉をもらい、さらに「ここを直せば80台にいけるという部分はどこですかね?」とフィードバックを求めるのです。
すると先輩ゴルファーは「後はアプローチとパターの精度を上げるだけだよ。具体的には〇〇の練習をするといいよ。Aくんならできるよ!」などの言葉をくれるかもしれません。もちろん、自分自身で80台を出せる根拠を探し「〇〇ができているからいけるはずだ」「△△を直せばいけるはず」というように「できている部分」と「課題」を認識することも重要です。
ここでよく見受けられるのが「課題」ではなく自分の「弱点」ばかりを認識し「自分はまだまだ弱点がある。下手だ」と自分に厳しい言葉ばかりをかけてしまう方です。すると自己効力感は低下してしまいますので、「80台にふさわしい部分」や「この課題を解決すれば80台にいける」という前向きな言語的説得をしていく必要があります。
いかがだったでしょうか? 今回は自信を高めるための「代理経験」と「言語的説得」について紹介していきました。ぜひ、ご自身の自己効力感アップに使ってみてください。