松山英樹の海外メジャー「マスターズ」制覇を支えた武器の一つが、キレの良いアイアンショット。できるなら良い部分を自身のスウィングにも取り入れたいところだが、果たしてアマチュアにマネできるところはある? "飛距離アップ請負人"の異名を持ちYouTubeでも大人気のプロゴルファー・吉田一尊に、“アマチュアに役立つところのみ”を抽出して教えてもらおう。

日本人男子としては初であり、悲願でもあった海外メジャー制覇を達成し、アジア人初のマスターズチャンピオンになった松山英樹。その要因のひとつが世界最高峰レベルといっていいアイアンショットでしょう。

あのキレッキレのアイアンショットに少しでも近づくために、アマチュアにもマネできるポイントがいくつかあります。ひとつめがスウィング中の右足の使い方なのですが、マネしてほしいのはズバリ、右足の角度なんです。

松山選手はテークバックからトップに上がるまで、右足がアドレス時の状態のまま、右にスウェーするような動きがまったくありません。アマチュアの場合、クラブを上げるときに右に体重を乗せようとして、その勢いで右足の角度が地面と垂直になるぐらいスウェーしてしまう人が多いんです。

画像: テークバック(中)からトップ(右)にクラブが上がるまで、アドレス時(左)の右足の角度をキープすることで、理想的なダウンブロー軌道で打てる(写真は2021年のザ・プレーヤーズ選手権)

テークバック(中)からトップ(右)にクラブが上がるまで、アドレス時(左)の右足の角度をキープすることで、理想的なダウンブロー軌道で打てる(写真は2021年のザ・プレーヤーズ選手権)

松山選手のように、右足が目標方向へ少し斜めに傾いた状態をキープしたまま、微動だにせずトップまでクラブを上げることで、左への体重移動をスムーズに行えるようになります。これによって、ボールに対して理想的なダウンブローでヘッドを入れていくことができるのです。

ただし、ここを意識すると上体を捻転させるのがかなりキツくなるので、普段よりもトップは浅くなってもOK。それでも体はしっかり捻転されているので、ムリに深くねじろうとしないように注意しましょう。

また、ダウンスウィングからインパクトにかけて、松山選手は右ひざを前に出さずに目標方向へ押し込んでいくように動かしています。ダウンで右ひざが右つま先よりも前に出ると、右腰も前に出て上体の前傾が起き上がってしまいます。右ひざは前に出さずに、目標方向へ押し込んでから伸ばすことで前傾姿勢をキープしやすくなります。

画像: トップ(左)からダウンスウィング(中)、インパクト(右)にかけて、右ひざを目標方向へ押し出すように動かすことで、前傾姿勢をキープしている(写真は2021年のソニーオープンinハワイ 撮影/増田高寛)

トップ(左)からダウンスウィング(中)、インパクト(右)にかけて、右ひざを目標方向へ押し出すように動かすことで、前傾姿勢をキープしている(写真は2021年のソニーオープンinハワイ 撮影/増田高寛)

さらに、松山選手のフォローからフィニッシュを見ると、左足のつま先が地面から離れるぐらい、左かかとを軸に体を回転させているのがわかります。これはダウンの右ひざの使い方と連動するのですが、左かかとを軸に回転することで左足が後ろに下がるため、右ひざを目標方向に押し込むスペースが生まれるのです。

画像: フォロー(左、中)からフィニッシュ(右)を見ると、左足つま先がめくれ上がっており、松山は左足かかとに体の軸に置いて回転していることがわかる。そのことで右ひざを目標方向へ押し出すスペースが生まれている(写真は2021年のザ・プレーヤーズ選手権)

フォロー(左、中)からフィニッシュ(右)を見ると、左足つま先がめくれ上がっており、松山は左足かかとに体の軸に置いて回転していることがわかる。そのことで右ひざを目標方向へ押し出すスペースが生まれている(写真は2021年のザ・プレーヤーズ選手権)

逆に、左つま先を軸に回転すると、体の右サイドが前に出やすくなってしまうので、右ひざも前に出やすくなります。ダウンで右ひざを目標方向に押し込むように使うには、左かかとを軸に回転することが必要であり、それが松山選手のようなバランスの崩れないフィニッシュにも繋がるのです。

この3つのポイントをマネすることで、松山選手のようなキレッキレのアイアンショットを手に入れましょう。ただ、スウィング全体の方向性としては、かなりの変更点が見られました。それについては、近いうちに詳しく解説するので楽しみにしていてください。

画像: マスターズ優勝!松山英樹のスウィング解析。アマチュアもマネできる「右足の使い方」をプロが解説 youtu.be

マスターズ優勝!松山英樹のスウィング解析。アマチュアもマネできる「右足の使い方」をプロが解説

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