今年2月23日。自らハンドルを握っていた自動車のコントロールを失い道路脇の木に激突、右脚の脛骨と腓骨を粉砕骨折したタイガー。単独事故の現場はロサンゼルスだったためそこからほど近いUCLAメディカルセンターで緊急手術を受けたが現在は退院し自宅のあるフロリダでリハビリ漬けの日々を送っている。
「過去のケガでリハビリのプロセスは熟知しているつもりだったけれど、今回に関してはこれまで経験したことのないほど痛い。まったくベツモノだ」と実感をこめる。
米ゴルフダイジェストによるとタイガーは「またゴルフをしたいという希望はあるか?」という質問に明言は避けたようだが「理学療法士のリハビリメニューをこなすことで毎日忙しい。1番の目標は自力で歩けるようになること。一歩、一歩、地道に進んでいくよ」と前向きなコメントを寄せている。
4月24日には自宅の庭で愛犬バグを従え、右脚をギブスでがっちり固め松葉杖をつく笑顔の写真をインスタグラムに投稿。愛犬を「リハビリパートナー」「ベストフレンド」と呼んでいる。
「ギブスのせいか肩が大きく盛り上がって見えるね。でもこれトレーニングの成果でもあるんだ。下半身はこうでも上半身はまだ鍛えられるのはうれしい」
およそ1カ月後、米ゴルフダイジェストのインスタグラムにタイガーと難病(ユーニング肉腫)の少女ルナさんとのツーショットが投稿されたが、その写真では右脚の大がかりなギブスが取れサポーターだけになっており経過が良好であることをうかがわせた。
辛いリハビリを支えているのはもちろん家族だが世界中のファンから寄せられる応援の言葉にタイガーはこういう。「ものすごく励まされている。ゴルフをする人もしない人も関係者もそうでない人も、本当に多くの人から届くメッセージには大いに助けられている」。
今週米男子ツアーはベン・ホーガンの庭と称されるコロニアルCC(テキサス州)でチャールズシュワッブチャレンジが開催されているが、ホーガンもまた交通事故で死亡説が流れるほどの重症を負いながら奇跡の復活を遂げわずか1年足らずで全米オープンに優勝、その後グランドスラムも達成している。
タイガーにはもう何度目になるかわからないが彼にしかできない“奇跡”を起こしてもらいたい。