多くの競技ゴルファーやアマチュアゴルファーのメンタリティサポートをするなかで、仕事の多くは「不安の解消」がテーマとなります。とくに結果を求める競技ゴルファーにとって、不安はつきものです。
そして、それらの不安はひと言で言えるほど単純ではありません。今回の記事ではそれらの不安を解消するためのヒントを共有していきたいと思います。
まず、不安も大別すると次の3つに分けられます。あなたが抱えるゴルフにおいて感じる不安は以下のどれにあたるでしょうか?
ひとつ目は技術不足や技術的不調から生まれる不安です。例えば、自分が信じてきたスウィングのスタイルをコーチから否定され、新しいスウィングを習い自分にまだまだ30%しか浸透していない状態でコースにいけば「このスウィングで大丈夫か?」と技術不足からの不安を感じます。また、安定していたスウィングがコースで突然ボールが曲がり始め、技術的不調により「次のボールも曲がるのではないか?」と不安になります。
ふたつ目が競争や他者評価から生まれる不安です。同伴競技者とスコアを競っているときや自分がゴルフを教えている人とコースを回るときに「自分のスウィングは良いと思われているだろうか?」「ここでミスをしたら恥ずかしい」などと他者からの目線や評価を気にすることにより生まれる不安です。
そして最後の3つ目が結果への意識から生まれる不安です。順位やベストスコアの更新など結果を意識することで「ミスをしたら結果に影響する」「トップ争いから外れたくない」「残り3ホールでうまくいけばベストを更新できる」など基本的に結果への意識が強くなればなるほど「失敗したくない」「失敗したらどうしよう」という思考も生まれやすく、不安になるのです。
いかがでしょうか? あなたはどの不安をもっとも感じやすいでしょうか? さて、ここからそれらへの不安への対処法を共有していきます。
まず紹介するのは「フォーカスポイントを変える」解消法です。フォーカスポイントとは注意を向ける対象のことを指します。技術的不調によりスウィングにフォーカスがあたる。他者からの評価にフォーカスがあたる。結果にフォーカスがあたる。この状態が不安を生む要因になっているのでフォーカスポイントを「行動」にすることです。
例えば、ショットやパターでの自分のルーティンを丁寧に遂行するという行動に注意を向ける。ほかにもスウィングであれば「あらかじめ定めたワンポイントだけを守り気持ちよく振る」という行動に注意を向けるといった意味合いです。
誰もが目の前のワンプレーにおいて「今できること100%」に集中すべきと分かっていても、いつのまにか注意が目の前のプレー以外に向いてしまうものです。そうではなく、意識的に今コントロールできる行動に最大限の注意を向けていきましょう。そうなると不安は減少していきます。
もうひとつ、「不安になることを認める」という解消法もあります。ゴルフにおいてなんの不安もない状態はシーズンを通じて長くないはずです。多かれ少なかれ不安があることが当たり前ではないでしょうか。そういった意味でも「不安があることが普通」「成長や成果を求める自分として不安を感じることは当たり前」と不安になることを許容するんです。
理想があるから不安は生まれるのであり、不安があるからそれを解消するために練習をする動機にもなります。不安を感じることが当たり前と認めていくことで逆に不安をそこから増大することはなくなります。
今回はゴルファーが感じる3つの不安に対するシンプルな対処法を共有していきました。ぜひあなたのゴルフに活かしてみてほしいと思います。