PGAツアー中継でもおなじみ 内藤雄士
松山英樹の頼れる元相棒 進藤大典
丸山茂樹とアメリカ転戦 杉澤伸章
PGAツアーのスタッツマニア 佐藤信人
GD 21年は松山英樹選手が日本人初、アジア勢でも初のマスターズチャンピオンになり、日本ゴルフ界にとって歴史的な1年になりました。
佐藤 昨年は、日本にとって本当に大きな1年でした。前週のオーガスタ女子アマで梶谷翼さんが優勝し、そのいい流れが松山君へとつながりました。第3回大会となる今年のオーガスタ女子アマには、史上最多の4人の日本人が出場するそうで、今年も松山君、金谷(拓実)君、アマチュアの中島(啓太)君ら日本人選手にいい流れを作ってもらいたいですね。松山君の連覇については、みなさんどう考えていますか?
杉澤 連覇は十分あると思いますよ。過去にフェニックスオープンでも連覇は体験していますし、なにより松山選手はタイガー並みにオーガスタとの相性がいいですからね。
内藤 最終戦ツアーチャンピオンシップの舞台に、8年連続で進出している選手ですからね。その実力はPGAツアーでも疑う選手はいません。当然、優勝候補のひとりに数えられることは間違いないでしょう。連覇を狙うマスターズに限らず、他のメジャーでも確実に優勝候補に数えられる選手ですよ。
進藤 自分で苦手だと言っている全英オープンはわかりませんが(笑)。
佐藤 当然メディアは、特に日本のメディアは連覇を期待します。必然的に自分自身へのハードルは高くなりますよね。というのも昨年は前週のテキサスで、思うようなプレーができずにイライラすることもありました。それがかえって自分自身へのハードルを下げ、結果的にいい結果になった可能性もあると思うんです。
杉澤 流れによって期待がプレッシャーになるか、エネルギーになるかはわかりません。ただ、僕が思うにはメジャーでは最終日より初日の迎え方が大事だと思うんですよね。そこは大ちゃん(進藤氏)が詳しいと思うけど、松山選手はその辺はどうですか?
進藤 メジャーでは誰でも普段よりも気合いが入ります。これは“裏方あるある”ですが、選手に対して「頑張ろうぜ!」なんて言葉をかけるのはやぼ中のやぼ(笑)。どれだけ試合とは関係のない話を、それも自然にできるかが大事なんです。その点、マスターズ優勝以降の英樹や「チーム松山」を見ていると、余裕をもってメジャーに臨んでいるように映ります。優勝の経験がそうさせているのか、その辺はすごく期待できるのではないでしょうか。
佐藤 メジャーではありませんが、マスターズ後のZOZOチャンピオンシップ、ソニーオープンの勝ち方はハンパなかったですよね。特にソニーのプレーオフの第2打は、鳥肌が立ちました。僕レベルの選手がいうのもなんですが、ひと皮剥けたというか突き抜けた勝ち方というか。マスターズも期待できると思います。
内藤 他の日本人選手が注目されたり活躍すると、めっぽう強いのも松山選手の特徴ですよね。
佐藤 確かにそうです。優勝したソニーオープンでも大会前は、中島啓太君のほうが注目を集めていましたから。
進藤 アメリカに進出してからというもの、英樹には日本を代表している自覚というか責任というか、もちろん口には出しませんが、他の日本人には負けられない、との思いが誰よりも強い気がします。メジャーになればなおさらでしょう。
杉澤 ZOZOチャンピオンシップやソニーオープンに限らずオリンピックもそうだけど、日本人が出ている試合では、ほとんど日本人トップですからね。となると金谷選手や中島選手らの活躍が、さらなる刺激となって……。
佐藤 十分あるでしょう。それに中島君の場合、彼が背中を追ってきた松山、金谷の両選手が成し得なかった偉業を達成する可能性があります。
進藤 なんですか、それは?
佐藤 マスターズを皮切りに、全米オープン、全英オープン、3つのメジャーでのローアマです。プロ転向の時期もあるでしょうけど、十分可能性ありますね。
内藤 そんなことを想像するだけでもワクワクしますね。
GD 少し視点を変えて、オーガスタで勝つための条件について、みなさんの考えをお聞かせください。
杉澤 これはマスターズに限らず、メジャーで勝つための条件にもなるんでしょうが。これについては、僕がある年のマスターズで目撃した光景、ある選手とキャディのやりとりから話させてもらってもいいでしょうか?
佐藤 もちろんです。現場の空気を吸っている杉澤さんならでは意見をお聞かせください。