ベン・ホーガンとマスターズ
Champions Dinner チャンピオンズディナー
1952年、前年にマスターズを初制覇したベン・ホーガンが、それまでの優勝者全員を晩餐会に招待し、マスターズチャンピオンに限定した「マスターズクラブ」設立を提唱した。招待された全員がホーガンの提案に賛成し、そこに創始者のボビー・ジョーンズとクリフォード・ロバーツを名誉会員として参加できるようにした。これがチャンピオンズディナーの始まりだった。
それ以来、ずっと新しいチャンピオンが晩餐会用のメニューを考え、費用を全額負担する慣わしができた。その代わりにクラブの紋章を刻んだネックレスが会員証として贈られる。
毎年マスターズウィークの火曜日の夜に開催され、全員がグリーンジャケットを着用して参加。新チャンピオンが選んだ料理を頂きながら、楽しいひとときを過ごすのだが、このディナーはマスターズの発展と、トーナメントの改善に積極的に貢献してきた。
歴代のチャンピオンが集まる場で、話題は自然とマスターズにおよぶ。試合の進行、オーガスタの施設、コース、メンテナンス、招待選手に関する規定など……。長い歴史のなか、マスターズは伝統を守りながらも改革に対するエネルギーを常に保ち続けてきた。このエネルギーはチャンピオンズディナーのなかから生まれる、さまざまな提案や意見が原動力となっているのだ。
今年はついに日本人が初めてこの晩餐会に出席する。彼が選ぶ料理は何だろう?

写真・文/宮本 卓
1957年7月10日、和歌山県生まれ。1987年より海外に活動の拠点を移し、マスターズをはじめとするメジャーの取材だけでも100試合を超える。単にゴルフゲームを追うだけではなく、光と影を巧みに利用し、その奥に潜む人間の真理を表現。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員
【ゴルフレッスン】頭は残す?残さない?正しいのはどっちの理論か?【合田洋】【スイング】
youtu.be