ジョージア州のオーガスタよりお届けしております。
マスターズ開幕まであと1日に迫りました。
火曜日の練習日は、雷雲接近のため午前11時にコースがクローズに。
選手たちもその雷雨予報を知っていたので、朝早くから練習して、その時間までに終わらせている人がほとんどでした。
ちょうどのそのホーンが鳴った直後、プレスルームの建物の中で、タイガー・ウッズの記者会見が始まりました。
「タイガーは木曜日にティーオフするのか?」
「会見で何と言うのか?」
全米中、世界中から来ていた記者の目が集まりました。会見場は満員御礼で、立ち見が出るほど、その部分だけ切り取ってみても、現地での注目度が高いんだなというのがわかります。
「今のところ出るつもりでいるよ、今のところね。明日(水曜日)もう9ホール回ってみて、考えるよ」
会見の冒頭でそう答えたタイガー。やっぱり出るのか! 木曜日の朝イチまで確定ではありませんが、会見の話を聞いている限り、“出る方向で万全を尽くしている”という様子です。確かに、日曜日と月曜日のタイガーの練習を見た感じでは練習中の球数こそ少ないですが、念入りにスウィングの調整をしている様子でしたね。
また練習ラウンドも何ホールかついて回りましたが、ドライバーはけっこう飛んでいて、パー5の8番ホールのティーショットは軽く300ヤードは越えていましたからね。
一緒に回っていたジャスティン・トーマスと飛距離はそこまで変わらなかったんじゃないですかね。ただ、途中で右ひざを曲げたりして、右足を気遣うような仕草もみせていたのは事実で、100パーセントではないんだろうなというのは感じました。
練習ラウンド後はクラブハウス前のパッティンググリーンでみっちりとパター練習もおこないました。ロングパットから始まり、ショートパット、ミドルパット、そして曲がるラインを練習したり、何か器具を使う風でもなく、黙々と3球あるボールを転がしていました。ときに片手一本(右手)で長い距離を打つこともあり、こまめにパッティングの感覚をチェックしている様子でした。
「試合に出なきゃここまでやらないだろう」
その練習を見ていた人は、そう思った人が多いんじゃないですかね。
クラブハウス前のグリーンはけっこう小さいのですが、そのグリーン外周をギャラリーが埋め尽くしていて、みんなタイガーが打つ一球一球を固唾をのんで見守っていました。
カップインすると、まるで試合中にバーディを決めたかのように、歓声が沸き起こっていましたよ。
その練習は夕暮れまで続き、
「あぁ、本当にタイガーがマスターズに出るんだな」という感慨に浸っていると、タイガーが突然ボールを拾いあげました。
練習を終えて引き上げるのかなと思ったら、突如顔のそばにボールを持って行きました。すると、左目の辺りにボールをもっていき、そこからボールを落としました。
まさかの「ボール位置確認」!?
タイガーのボール位置は左目の下なのか。
このレベルでも、やはりボール位置がズレるんでしょうね。ましてや長らく実戦から遠ざかっているので(それこそ20年11月のマスターズから試合に出ていません)、微妙なズレが生じているんでしょう。
でもこのボールを落とすというアナログなチェック方法、久しぶりに見ましたね。
タイガーがやっているのを見ると、嬉しくなっちゃうの僕だけですかね……。
タイガーの木曜日のティーオフタイムは現地時間の午前10時34分(日本時間の同日午後11時34分)。果たして1番ティーにタイガーの姿はあるのか。
写真/ケンジロウ