マスターズ3日目が終わり、あとは最終日を残すのみ! 今年の中継を見て「いつかはマスターズを見に行きたい!」と思った人のためにマスターズのチケット事情を週刊ゴルフダイジェストのツアー担当・ケンジロウが突撃レポート!

こんにちはケンジロウです。
ジョージア州のオーガスタよりお届けしております。
第3ラウンドが終わりました。
第3ラウンドは朝からかなりの冷え込みで、ダウンジャケットを着て取材するほど、寒~い一日でした。その中でスコッティ・シェフラ―が伸ばし、キャメロン・スミスが追いかけるというちょっと地味な展開になっています。

ただ、今日は優勝争いの話ではありません、マスターズの観戦チケットの話をします。

テレビ観戦をしている方はもうおわかりかと思いますが、今年のマスターズはパトロン(ギャラリー)をフルで入れています。昨年はコロナの影響でその数を半分に抑えていましたからね。ギャラリー数というのをマスターズ委員会は公表していませんが、フルに入って日々だいたい5万人を想定しているようです。

月曜日の練習日からパトロンはゴルフ場の中に入れ、みな月曜日から練習場に行ったり、コースを歩き回ったり、定点観測したり、買い物をしたりと、それこそ思い思いに楽しんでいます。
今年はタイガーが試合に出るということもあって、いつも以上に盛り上がっていましたね。練習日はカメラの持ち込みも許されているので(携帯電話は禁止)、みなリーダーズボードの前で写真を撮ったり、クラブハウスの前で写真撮影をしたり、選手のスウィング動画を撮ったり、一日を楽しんでいる様子でした。

画像: タイガーが復活するということで、かなりの盛り上がりを見せている今年のマスターズ

タイガーが復活するということで、かなりの盛り上がりを見せている今年のマスターズ

さて、彼らはどのようにして観戦チケットを買っているのか? そもそもチケットは買えるのか?
マスターズに関してはいろいろナゾが多いので、各方面に取材をしてみました。
会場の外には“BUY&SELL”と書かれたサインボードを掲げたお店もあって、そこにも突撃取材して値段を聞いてみたのでお伝えしますね。

まずチケットについて。

そもそもマスターズという大会は今年で86回目ですが、最初のころは資金繰りに苦しんでいたようで、オーガスタGCの会員たちがお金を出し合って大会費用を工面していたと聞きます。
マスターズのギャラリーが「パトロン」と呼ばれているのはご存じかと思いますが、パトロンとは英語で後援者、支援者という意味で、その名前の由来からも彼らパトロンが大会を支えてきたというのがわかると思います。ですから、今現在コースに入っているギャラリーは、そのパトロンたちそのものか、もしくはパトロンから観戦バッジを借りる形でコースの中に入っている一般のギャラリーということになります。

画像: 基本的には「パトロン」か「パトロン」から観戦バッジを借りることでトーナメントを見ることができる

基本的には「パトロン」か「パトロン」から観戦バッジを借りることでトーナメントを見ることができる

たとえば観戦ツアーなどに申し込むと、パトロンからその観戦バッジをお金を払って借りる形で入場します。あくまでチケットを借りる状態なので、チケットは観戦が終わったら返却するようなシステムになっています。

日本から観戦ツアーなどで来た人は、現地で観戦バッジを受け取る代わりに身分証明書(パスポートなど)をいったん預けて、観戦が終ってバッジを返却したら証明書を返してもらうということになっているようです。

パスポートをいったん預けるってちょっと怖いですけどね……。
昔ながらのパトロンの人たちは代々その権利を受け継いでいて、世襲のように親から子へ子から孫へ、その「シリーズバッジ」が渡されていきます。
親子2世代にわたって観戦に来ているとか、祖父から権利が続いていて、今は孫が観戦しているというケースもよくあります。
その権利は毎年行使しないとなくなってしまうので、 “とりあえず買う”と言うパトロンもいるみたいですよ(その買った観戦バッジをチケット屋さんなどに売る人も多いみたいです)。

シリーズバッジを持つパトロンが普通にチケットを買うと、試合の4日間通しのバッジで375ドル、日本円にして約4万6千円です。
マスターズ4日間と考えたらそんなに高くないですよね(練習日のチケットは一般の人と同じようにネットで注文)。

またある年からパトロンでなくても観戦バッジをインターネットで買えるようになりました。マスターズのホームページから申し込むことができます。
毎年6月ごろに抽選の登録をし、当たりか外れかいずれにしても連絡がきて、当たった場合はその時点でお金を支払う形になります。

以前は一般の人に販売するのは練習ラウンドのチケットだけだったのですが、何年か前から本戦のチケットも買えるようになりました。それでもチケットの抽選に当たる人はごく一部、ひと握りなようです。
実際にチケットを毎年申し込んでいたという、世田谷区在住の40代女性に話を聞きました。
「今年のマスターズの観戦の場合は昨年の6月21日からチケット販売が始まっていたので、すぐに抽選の申し込みをしました。練習ラウンドと試合の日のチケットの7日間すべてを選びましたが、二か月後ぐらいにメールで返事がきて、すべて外れてしまいました(笑)」
……実際に当たらない人がほとんどみたいですけどね。

会場にいるパトロンたちに声をかけて話しを聞いてみると、いろんな人が返事をしてくれて驚きます。
「もう何十年も連続で来ているんだ。毎年必ず来ているよ」という親子もいれば、
「今年は抽選で当たってこられたんだ。とてもラッキーだったよ」という夫婦もいました。

画像: パトロンたちにも突撃取材!心の底からマスターズを楽しんでいるようだ

パトロンたちにも突撃取材!心の底からマスターズを楽しんでいるようだ

さて、みなさん、ここからが気になるところかと思いますが、そうしたシリーズバッジを持ったパトロンでもない、抽選にも当たってない人はどうやったらマスターズを観戦することができるのでしょうか?

まずひとつはチケットを売りに出しているチケット屋さんから買うという形ですね。
マスターズの場合は、さきほどお伝えしたとおり「パトロンから売りにだされたバッジをお金を出して借りるという形」になります。インターネットで検索してみると、そうしたサイトはいろいろ出てきます。スポーツ観戦チケットを扱うサイトで値段の相場も出ていて、価格はつねに変動するみたいです。ちなみに今年の最終日の値段は現時点で1867ドル(約23万円)になっています。

画像: 会場の外でチケットを打っているショップにも話を聞いてみると……

会場の外でチケットを打っているショップにも話を聞いてみると……

そして、今度は会場の外に出て実際にチケットを打っているショップの方々に話を聞いてみることにしました。いったいどのぐらいの金額で販売しているのか?

調べてみると、販売できる場所にも制約があって、ゴルフ場から1.5マイル(約2.4KM)以内では、販売してはいけないというルールがあるみたいです。

確かにコースにくるときに、ショップのテントをよく見かけますが、ゴルフ場のそばでは見たことはありません。だいたいちょっと離れた場所で売っているように見えます。
実際に話を聞いてみると、3日目と最終日のチケットを売っていて、3日目は1700ドル(約21万円)、最終日は2000ドル(約25万円)という値段提示でした。

チケットも雨が降ったらその日は安くなったり、タイガーが出るとなったら値段が上がったりと、そこは需要と供給に合わせて値段も変動していくみたいですよ。
マスターズのチケット、さあ、あなたならいくらまで出せますか?
撮影/Blue Sky Photos、KJR

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