ゴルフダイジェスト・ギア研究チームは、現行ドライバー38モデルを打ち比べる大規模テストを実施しました。第2回調査報告は、飛距離の原動力となる「ヘッドスピード」ランキングです。理論上ではヘッドスピードが1m/s上がると、5ヤード飛距離が伸びると言われています。今回の調査では1位のクラブと38位のクラブの差は「2m/s」でした。テスターは2016年プロテスト合格、ヘッドスピード49m/sの鈴木悠介プロ。
ボールはタイトリスト「プロV1」を使用し、弾道は「トラックマン4」で計測。計測値は明らかなミスショットを除く5球の平均値を掲載しています。

ご存知のように「飛びの3要素」は、打ち出し初速、打ち出し角、バックスピン量です。打ち出し初速は、ヘッドスピードに連動してきます。ヘッドスピードが速ければ、打ち出し初速が速くなる〝可能性″は高まります。

フェース素材、構造、ヘッドの進化によって打ち出し初速が上がると言われていますが、それだけでは飛距離アップにつながりません。打ち出し初速の源はヘッドスピードです。言うまでもなく、ヘッドスピードは遅いよりも速いほうがいい。誰もがヘッドスピードアップを望んでいることでしょう。

ヘッドスピードは「クラブの振りやすさ」が関係してきます。振りやすいものはスピードが出やすく、振りにくいものは遅くなります。クラブの振りやすさはスウィングに影響を与えます。

また、「クラブ長」が長くなると遠心力によってヘッドスピードが上がると言われています。しかし、長くても振りにくいクラブだとヘッドスピードは上がりません。むしろ、長くなった分、ミート率が下がり、飛距離を落とす可能性があります。長いクラブはヘッドスピードアップが期待できる一方で、振りにくさを生じさせる可能性があるため、なかなか「46インチの壁」を越えられないでいます。

そのような状況の中で、プロツアー、エリート競技では2022年から「46インチ以内」のローカルルールが施行されたため、今後の(一般市場向けの)長尺開発に影響が懸念されます。

では、ヘッドスピードが上がるクラブが飛ぶのか?と言ったら、それだけでは決まりません。ヘッドスピードは、打ち出し初速を生み出す原動力ですが、飛びの3要素のひとつにすぎません。その時の、打ち出し角は? バックスピン量は?「3つのチカラ」がひとつとなって飛距離となります。

画像: いちばん速く振れたのは「ゼクシオX」、速く振れたドライバー上位10本の中で、いちばん飛距離が出たのは「TSi3」

いちばん速く振れたのは「ゼクシオX」、速く振れたドライバー上位10本の中で、いちばん飛距離が出たのは「TSi3」

ヘッドスピードランキングBEST10を飛距離順に並べてみると、ヘッドスピード1位のゼクシオXは8位に、同3位のタイトリストTSi3が1位になりました。ヘッドスピードは無視できないとても大事な要素ですが、そのヘッドスピードをいかに効率良く飛距離につなげていくかです。

今回の結果は、ヘッドスピード49m/sの鈴木悠介プロのデータなので、もっとヘッドスピードが遅いテスターが打ったら、結果が変わったかもしれません。

どれだけ飛ぶんだ大調査!ヘッドスピードランキング

1位 ダンロップ/ゼクシオX (49.7m/s)

2位 テーラーメイド/ステルス(49.4m/s)

3位 タイトリスト/TSi3(49.3m/s)

3位 テーラーメイド/ステルスプラス(49.3m/s)

5位 本間ゴルフ/TW757 Type-S(49.2m/s)

5位 ヤマハ/RMX VD59(49.2m/s)

5位 タイトリスト/TSi1(49.2m/s)

8位 ピンゴルフ/G425 LST(49.1m/s)

9位 キャロウェイ/ローグST MAX FAST(49.0m/s)

10位 プロギア/LS(48.9m/s)

画像: 鈴木悠介プロがドライバー38本を打ってデータを計測した

鈴木悠介プロがドライバー38本を打ってデータを計測した

ヘッドスピードBEST10よる飛距離ランキング

1位 タイトリスト/TSi3(295.9y)

2位 テーラーメイド/ステルスプラス(295.3y)

3位 ピンゴルフ/G425 LST(295.2y)

4位 本間ゴルフ/TW757 Type-S(294.8y)

5位 ヤマハ/RMX VD59(290.7y)

6位 テーラーメイド/ステルス(286.1y)

7位 プロギアLS(283.8y)

8位 ダンロップ/ゼクシオX(283.8y)

9位 タイトリスト/TSi1(282.3y)

10位 キャロウェイ/ローグST MAX FAST(280.8y)

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